付合とは? わかりやすく解説

つけ‐あい〔‐あひ〕【付合】

読み方:つけあい

連歌俳諧で、五・七・五の長句七・七短句付け合わせること。先に出される句を前句、これに付ける句を付句という。

1で、前句付句関係づける契機となる語句寄合(よりあい)よりも広く素材・用語のほか、情趣心情などを含む。


ふ‐ごう〔‐ガフ〕【付合/附合】


付合

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/04/20 16:48 UTC 版)

付合附合、ふごう)とは、添付の一類型で、2個以上のが結合すること。不動産の付合と動産の付合とがある。付合により生じた物を付合物あるいは合成物という。付合について日本の民法242条以下に規定をおいている。通常、別個の物が結合する場合には契約関係に基づいて所有権の帰属関係が処理されるので、付合の規定が問題となる場面は少ない。

なお、平成16年民法改正による現代語化により「附合」から「付合」に表記が改められている(第243条の「毀損」の文言も「損傷」に改められている)。

  • 民法について以下では、条数のみ記載する。

所有権の帰属

不動産の付合

概要

所有者の異なる2つ以上の物が、結合によって社会的・経済的に1つの物とみられる関係に至ることを添付といい、付合はその一類型である[1]

不動産の所有者は、当該不動産に従として付合した物の所有権を取得する(242条本文)。ただし、権原によって附属された物は付合しない(同条ただし書)。 つまり、ある水田に無関係の者が勝手に種を播いた場合、その苗は水田と一体になったとして(=付合して)水田の所有者の所有物となるが、当該水田を借り受けて(=権原によって)種を播いた場合には、その苗は種を播いた者の所有物になる、ということである。

付合のほかに加工の規定が関わる特殊な事例として最判昭和54年1月25日民集33巻1号26頁がある。

なお、添付については強行規定である[2]。したがって、添付が生じた場合の旧所有者からの復旧請求は封じられる[3]。しかし、添付によって生じた加工物の所有権を誰にするかについては任意規定である[2]

法的構成

  • 通説
    付合の規定が置かれている趣旨は結合した物の分離が社会経済上不利益であることを理由としている[2]
  • 取引観念説(取引安全説)
    付合の基準は物理的に損傷せずに分離できるか否かではなく取引通念上独立の物として扱われるべきか否かによる[2]

不動産相互の付合

  • 土地と建物
    日本法では建物土地とは別個の不動産として把握している。土地と建物を別個とする法制度のもとでは土地と建物の付合はあり得ない[4]。他人の所有地に建物を建てた場合、当該建物は建てた者の所有物となる。つまり、無権原者が建物を建てた場合、土地所有者は当該建物の収去を請求できるが、当該建物の所有権を取得することはない。
    他方、外国法においては建物が土地に付合するのがローマ法以来の原則(「地上物は土地に従う」)である。つまり、土地所有者でない者が建物を建てた場合、その建物は土地所有者の所有物となってしまうということである。
  • 建物と建物
    複数の建物が結合して独立性を失うときには付合を生じうる[4]

動産の付合

所有者を異にする数個の動産が、付合により、損傷しなければ分離することができなくなったときは、その合成物の所有権は、主たる動産の所有者に帰属する。分離するのに過分の費用を要するときも、主たる動産の所有者に帰属する(243条)。取り外しが容易である場合には付合を否定すべきと考えられている[5]。主従の区別をすることができないときは、各動産の所有者は、その付合の時における価格の割合に応じてその合成物を共有する(244条)。

なお、動産の付合の規定は混和の場合に準用されている(245条)。

第三者の権利

付合により物の所有権が消滅した場合は、その物について存在する(第三者の)他の権利も消滅する(247条1項)。

そして、物の所有権の消滅の代わりに、物の所有者が合成物の単独所有者となった場合は、物について存在する他の権利は合成物について存在することになる。 また、物の所有者が合成物の共有者となった場合は、物について存在する他の権利は合成物の持分について存在することになる(247条2項)。

償金請求権

所有権を失うなど損失が発生した場合は当事者間の公平を図るため、所有権を失うなど損失を受けた者は、損失について不当利得の規定(703条704条)に従い、その償金を請求することができる(248条)。

付合による所有権の取得は法律の規定に従ったものであるから、703条の「法律上の原因なく」にあたらず不当利得とはいえないが、償金請求権は不当利得返還請求権と本質的には同一の権利である。

なお、新所有権を前提にそれによって損失を受ける者の救済に関する規定(償金請求権に関する規定)も任意規定である[2][3]

脚注

  1. ^ 田山輝明『物権法 第3版』弘文堂、2008年、186頁。 
  2. ^ a b c d e 田山輝明『物権法 第3版』弘文堂、2008年、187頁。 
  3. ^ a b 田山輝明『物権法 第3版』弘文堂、2008年、197頁。 
  4. ^ a b 田山輝明『物権法 第3版』弘文堂、2008年、188頁。 
  5. ^ 田山輝明『物権法 第3版』弘文堂、2008年、191頁。 

関連項目


付合

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/04/12 19:50 UTC 版)

連歌」の記事における「付合」の解説

連歌理解する上でもっとも重要な概念は付合(つけあい)である。 連歌原則として複数作者による連作によって展開する具体的には、作者Bがbの句を詠む際に、作品としての一体感を保つために、直前詠まれた句(前句と呼ぶ。仮にaとする)の内容参看し、その情景情趣句境踏まえて句を作る前句aはもとよりB以外の作者(Aとする)の作品ではあるが、Bはaの立場立って、そのポエジー推測し、受け継がなければならないまた、場合によっては、次句を詠む予定である作者Cに対して次の句がつけやすいよう前句作者Aが配慮することを求められる場合もある。すなわちBはbという句の作者ではあるが、bという句に対して十全にみずからの個性発揮するではなく前句aや次句の作者Cに配慮しつつ、前後流れ合致するように作品を作らなければならない。 ただし、一体感とともに連歌重視されるのは、展開であり、変化である。すなわち前句aに対してbの句があまりに調和しすぎている場合には、作品全体平板変化のないものに陥ってしまう危険性生ずる。連歌多人数が製作に参加することで、句に盛られるポエジー次々変化し移調してゆくことを狙いとする文芸であるから過度に前句調和しすぎた句を詠むことは、その本質から言って好ましくないのである。そこで、作者Bは前句aに対して適度に調和保ちつつも、同時に新たな要素詠み込んで展開をはかることが求められる連歌作者における個性このような局面において発揮されるべきものなのである作者Bがbの句において、前句aからの変化をはかる際には、「前句(a)読み替え」という手法とられる連歌では一句がたいへんに短いために勢いその内容には省略飛躍多く多義的な読解可能にすることが多い。これを利用して、aの句がその前の句(bの前々句。打越と呼ぶ)と一体になって示される句意とはややずれた、しかしa一句句意としては包摂しうる、新たな句意をaが持ちうるようにbの句を詠む。 句の展開の上でさらに注意しなくてはならないことは、たとえば作者Cがbの句の次に句を詠む場合、その句cが二句前に詠まれたaの句と内容的に重複しないようにするという点である。ある句に対して二句前にある句を打越と呼ぶが、打越aにすでに存在する情景情趣素材表現そのまま用いてcが詠まれ場合、cに対して次に詠まれるd句はb句と似た内容になりがちである。すなわち「a→b」という展開が「c→d」というかたちで反復される可能性高くなるわけだが、これは連歌の展開、変化という原則反し作品平板なものにしかねない。そこで、新たに句を詠む場合には、打越存在する要素避けることがもっと基本的なルールとなる。さらにはこのルール拡大され特定の語の場合には、そのイメージきわめて強いために、三句前のみならず四句前、五句前……であっても回避しなくてはならないという「×句を隔つべき物」という式目形成されてゆく。 以上が「付ける」あるいは「付合」の概念であり、その技法連歌史的展開とともにさまざまに変化発達していったが、狭義連歌においてはもっぱら語の寄合による付合が行われた。寄合とは、ある語に対して縁のある語(付合となりうる語)であるとひろく認められたものを指し連歌盛行したころにはしばし寄合をまとめた寄合書つくられた。

※この「付合」の解説は、「連歌」の解説の一部です。
「付合」を含む「連歌」の記事については、「連歌」の概要を参照ください。

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付合

出典:『Wiktionary』 (2021/08/21 09:18 UTC 版)

別表記

名詞

  1. ふごう付け合わせること。
  2. (ふごう) (法律) 所有者異なる二つ以上の物が結合し、分離経済著しく不利益である場合一つの物として扱うこと。
  3. つけあい参照

発音(?)

ふ↗ごー

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