事務とは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 同じ種類の言葉 > 社会 > 社会一般 > 事務 > 事務の意味・解説 

じ‐む【事務】

読み方:じむ

役所会社などで、書類帳簿作成・処理など、主としての上でする仕事。「会社で—を執る」「—を引き継ぐ


事務

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/10/14 01:57 UTC 版)

事務(じむ)とは、主に役所会社などで書類の作成や整理などを行う作業全般と、これを専門に行う職業のこと。

の上で行われる作業が主となるため、デスクワークともいうが、20世紀末よりパーソナルコンピュータコンピュータ端末などの操作も含まれるようになってきている。同様の関連語には、事務所オフィス)内で働く労働者としてのホワイトカラーがある。

概要

古く[いつ?]は、漠然と仕事一般を指していたが、明治以後に英語の「affairs」・「business」の邦訳としてこの言葉が用いられ、明治中期に作られた『言海』などの辞書にも採用されて社会に定着した。

産業革命以後、事務労働者という概念が生まれ、主として上流階層出身の知識人など一定の教育を受けたものによって構成され、実業家の経営作業の一端を担う職業として、一般の肉体労働者と一線を画するとともに自らも実業家への道を歩む者が多かった。彼らは、出納管理や賃金計算、或いは他事業者との連絡や雇用者に対する業務上の指示を、実業家の意思を代行する形で遂行したのである。

やがて19世紀末〜20世紀初頭のタイプライター統計会計機パンチカードシステム)などの事務機械の開発・普及が進み、事務労働者は経営の一端に参画する管理職と軽度な事務処理にあたる他は肉体労働者と本質的には変わらない事務職へと分離していくことになった。 

さらに時代を下り20世紀末頃になってくると事務へのコンピュータの導入(→オフィス・オートメーション)にも伴い、これのオペレータプログラマといった作業者も、ホワイトカラーの一部として扱われ、これも広義の事務職としてみなされる。この他、設計など技術者の中でも主に書類作成などに携わるものは、事務職との境界も曖昧で、事務労働者が設計の作図を行ったり、或いは技術者が伝票などの業務上の書類作成を行うこともままみられるところである。

また書類作成や整理・管理が主な業務となる役所では、これら業務が事務である。

インターネット接続を享受できる環境において、テレワーク在宅勤務)やフリーランスの出現もあり、ノートパソコンなどがあれば事務作業を遠隔(リモート)で行えるまでに至っている。

他の業務とのかかわり

当初、事務の範疇が曖昧であった時代はともかくとして、時代を下がって事務職など専門化が進んだ時代には、一般の労働者(ブルーカラー)の雇用や勤怠に基づく賃金計算などの管理と福利厚生などの処理を行う者が工場などに勤務している。また他の業者との折衝(請求や支払い)管理も、こういった工場事務職の仕事である。

一方、企業が大きくなると企業間の折衝などに広義の営業職であるビジネスマンも登場したが、これらビジネスマンも書類の作成からプレゼンテーションなどの資料制作、或いは所属する企業内での連絡業務などで事務職がバックアップとして付く。ビジネスマンは企業の外務を担当し、その仕事に関わる書類の作成や整理など内務を担当するのが事務である。なおこれはビジネスマンを旧来の実業家に置き換えても同じことが言える。

企業が大きくなったり業務が複雑化したり、また各種法的なやり取りのための書類作成も事務職の仕事である。役所に提出する書類などは事務が作成して、管理職や経営者(実業家)が承認した後、役所に提出される。

この他、こまごました業務上の雑務を事務が兼任することもある。企業内でも余り規模が大きくない所では、接客から事務所の掃除、関係者への応対など、さまざまな雑務が事務職の仕事となっており、場合によっては労働者の手の足りないときに実務的な作業に駆り出されるケースまである。

他の業務との関連

事務はそれだけではなく、他の業務との複合も進んでいる。営業職を含めた営業事務医療を含めた医療保険事務人事を含めた総務経理を含めた簿記介護を含めた介護事務などである。簿記にも商業簿記、工業簿記などがある。日本の医療・福祉・教育に関する資格一覧も参照にされたい。

逆に、従来の事務仕事だけをまとめる言い方としては「一般事務」「庶務」などがある。

事務所

商店営業所などとともに事業所の一種で、事務を行う所、オフィスなどは事務所(じむしょ、: office )と呼ばれる[1][2]法律用語(司法業界の用語)としての「事務所」は商人・商業者・事業者・営業者以外の者が用いる拠点を呼ぶことが多いが、一般に用いられる普通の日本語上では事業者による事業の拠点、たとえば「芸能事務所」「探偵事務所」「デザイン事務所」「建築設計事務所」などとして用い、またコンサルティング会社、シンクタンクなどでも「事務所」という表現を採用することがある。

日本の法令においては、商人が営業の拠点として用いる場合には「営業所」と呼ぶため、「事務所」は商人以外の者が用いる場合を(主に)指す。官公庁出先機関の名称(ダム統合管理事務所、土地区画整理事務所など)や、協同組合特殊法人士業などの、商人でない事業者がその事務を行う拠点とする施設を指す。出先機関では具体的には地方環境事務所年金事務所福祉事務所漁業調整事務所宮内庁京都事務所総合通信局沖縄総合通信事務所国税庁沖縄国税事務所小笠原総合事務所近畿地方整備局六甲砂防事務所財務事務所農政事務所地方農政事務所守谷市上下水道事務所茨木土木事務所ダライ・ラマ法王日本代表部事務所NHK宮古島事務所などがあり、国際連合の機関についても、国際連合人権高等弁務官事務所国際連合人道問題調整事務所など、事務所と訳されている。

また「会計事務所」「法律事務所」のように商人でない事業者の事業体の名称としても用いられる。「建築士事務所」や「技術士事務所」も含め会計事務所や法律事務所など、いわゆる「士業」の事務所については、当該事務所の名称として用いられると同時に、当該事務所を用いる事業体の名称でもあることが多く、法律事務所については弁護士法で、司法書士事務所については、司法書士法で、行政書士事務所については、行政書士法第八条で、土地家屋調査士事務所については、土地家屋調査士法第二十条で、法務省令で定める基準に従い、事務所を設けなければならない、としているし、税理士事務所については、税理士法第四十条で、財務省令で定める基準に従い、事務所を設けなければならない、と定めている。社会保険労務士の事務所については、社会保険労務士法第十四条の二で厚生労働省令で定める基準に従い、事務所を定める規定が、海事代理士の事務所については、海事代理士法第九条に設置登録の規定が、弁理士事務所に関しては、弁理士法特許事務所に関する規定が、会計士の事務所に関しては、公認会計士法では公認会計士職場を事務所と記載して条文を定めている。その他の士業も各自の業法で士となる資格を有する者がなるには、登録簿に事務所の名称及び所在地を登録する規定を定めているものが多い。

脚注

  1. ^ 広辞苑第六版「事務所」
  2. ^ 世界大百科事典 第2版

関連項目


事務

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/09 23:32 UTC 版)

政令指定都市」の記事における「事務」の解説

指定都市特例処理できる事務は、第252条の19第1項(後に抜粋)で掲げ19の事務のうち、都道府県法令に従って処理するとされているものから、政令定められる(同条同項)。 また、事務処理への都道府県関与については、都道府県知事都道府県委員会の a.処分許可認可承認等)を要する法令定めている事項のうちから、政令により、その処分不要とするか、代わりに大臣処分要するものとするb.命令を受けると法令定めている事項のうちから、政令により、その命令に関する法令規定適用外とするか、代わりに大臣命令を受けるものとする、 ことになっている(同条第2項)。中核市に関しては、処分についてa.に相当する特例規定はない。命令についてb.類似する特例規定はあるが、委員会命令対象とならない(第252条の222項、第252条の26の3第2項)。 なお、地方自治法以外の個別法令(例え道路法河川法地方教育行政法など)の規定都道府県条例によっても権限移譲されうる。

※この「事務」の解説は、「政令指定都市」の解説の一部です。
「事務」を含む「政令指定都市」の記事については、「政令指定都市」の概要を参照ください。

ウィキペディア小見出し辞書の「事務」の項目はプログラムで機械的に意味や本文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。 お問い合わせ

事務

出典:『Wiktionary』 (2021/06/21 12:51 UTC 版)

名詞

(じむ)

  1. 役所会社などで、書類帳簿作成処理など、でする仕事

発音(?)

じ↘む

関連語

翻訳


「事務」の例文・使い方・用例・文例

Weblio日本語例文用例辞書はプログラムで機械的に例文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。



事務と同じ種類の言葉


英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「事務」の関連用語

事務のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



事務のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
デジタル大辞泉デジタル大辞泉
(C)Shogakukan Inc.
株式会社 小学館
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアの事務 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。
ウィキペディアウィキペディア
Text is available under GNU Free Documentation License (GFDL).
Weblio辞書に掲載されている「ウィキペディア小見出し辞書」の記事は、Wikipediaの政令指定都市 (改訂履歴)、宮内庁皇嗣職 (改訂履歴)、宮内庁東宮職 (改訂履歴)、宮内庁管理部 (改訂履歴)、宮内庁式部職 (改訂履歴)、宮内庁侍従職 (改訂履歴)、宮内庁上皇職 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。
Text is available under Creative Commons Attribution-ShareAlike (CC-BY-SA) and/or GNU Free Documentation License (GFDL).
Weblioに掲載されている「Wiktionary日本語版(日本語カテゴリ)」の記事は、Wiktionaryの事務 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、Creative Commons Attribution-ShareAlike (CC-BY-SA)もしくはGNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。
Tanaka Corpusのコンテンツは、特に明示されている場合を除いて、次のライセンスに従います:
 Creative Commons Attribution (CC-BY) 2.0 France.
この対訳データはCreative Commons Attribution 3.0 Unportedでライセンスされています。
浜島書店 Catch a Wave
Copyright © 1995-2025 Hamajima Shoten, Publishers. All rights reserved.
株式会社ベネッセコーポレーション株式会社ベネッセコーポレーション
Copyright © Benesse Holdings, Inc. All rights reserved.
研究社研究社
Copyright (c) 1995-2025 Kenkyusha Co., Ltd. All rights reserved.
日本語WordNet日本語WordNet
日本語ワードネット1.1版 (C) 情報通信研究機構, 2009-2010 License All rights reserved.
WordNet 3.0 Copyright 2006 by Princeton University. All rights reserved. License
日外アソシエーツ株式会社日外アソシエーツ株式会社
Copyright (C) 1994- Nichigai Associates, Inc., All rights reserved.
「斎藤和英大辞典」斎藤秀三郎著、日外アソシエーツ辞書編集部編
EDRDGEDRDG
This page uses the JMdict dictionary files. These files are the property of the Electronic Dictionary Research and Development Group, and are used in conformance with the Group's licence.

©2025 GRAS Group, Inc.RSS