亀趺とは? わかりやすく解説

き‐ふ【亀×趺】

読み方:きふ

亀の形をした、碑の台石


贔屓

(亀趺 から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/06/13 23:25 UTC 版)

北京市香山公園に残る贔屓が背負う石柱。

贔屓(贔屭、ひき、拼音: Bìxì)は、中国における伝説上の生物。石碑の台になっているのは亀趺(きふ、拼音: Guīfū)と言う。覇下(はか)とも呼ばれる。

概要

中国の伝説によると、贔屓はが生んだ9頭の神獣・竜生九子の一つで、その姿はに似ている。重きを負うことを好むといわれ、そのため古来石柱石碑の土台の装飾に用いられることが多かった。日本の「贔屓の引き倒し」とは、「ある者を贔屓しすぎると、かえってその者を不利にする、その者のためにはならない」という意味のだが、その由来は、柱の土台である贔屓を引っぱると柱が倒れるからに他ならない。

「贔」「屓」のどちらの字にも「貝」が含まれることから着想して、もとの意味は「財貨を多く抱える」で、そこから「大きな荷物を背負う」を経て、「盛んに力を使う」「鼻息を荒くして働く」などの意味をもつようになった説明されることがある[1]が、これは俗説である。『説文解字』の篆書に示されているように、「贔」という字に含まれる「貝」は「罒+大」の変化、「屓」という字に含まれる「貝」は「自」の変化であるため、財貨とは関係がない。また「ひき」の音は、中国語で力んだ時のさまを表す擬音語に由来する。

代の李東陽(1447–1516)が著した『懐麓堂集』や、楊慎(1488–1559)が著した『升庵外集』にその名が見られる。

類例

日本の亀趺

大名墓地等

亀趺碑が墓地内に複数建てられているもの

大名の先祖や大名個人を顕彰するもの

菩提寺等を顕彰するもの(実質大名を顕彰)

神格等を顕彰するもの

文廟(孔子廟)関係

寺院等を顕彰するもの

神社等を顕彰するもの

  • 山口県防府市右田玉里神社 亀趺碑
  • 山口県防府市大道繁枝神社 亀趺碑
  • 山口県熊毛郡八代村二所神社 亀趺碑

古の文人を顕彰するもの

  • 山口県防府市天満宮 大相国菅公廟碑
  • 兵庫県明石市柿本神社 柿本人麿碑
  • 島根県益田市柿本神社 柿本大明神神詞碑

南朝功臣を顕彰するもの

僧侶を顕彰するもの

賢人を顕彰するもの

  • 鹿児島県加治木町 桐原正左衞門墓石
  • 鹿児島県加治木町 江夏友賢墓石
  • 鹿児島県加治木町 伊集院源次郎忠真墓石
  • 鳥取県鳥取市摩尼寺下 小泉友賢墓石  

舎利塔

脚注

  1. ^ 鎌田正、米山寅太郎『新版 漢語林』(六版)大修館書店、1999年4月1日(原著1994-4-1)、1049頁。ISBN 4469031070 

参考文献

関連項目



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