ラハールとは? わかりやすく解説

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ラハール【(インドネシア)lahar】

読み方:らはーる

火山泥流


ラハール

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/08/19 13:06 UTC 版)

ガルングン山のラハール(1982年)
サンティアギートの熱泥流(1989年)
ネバドデルルイス火山のラハール(1985年)

ラハールジャワ語: Wlaharインドネシア語: laharヒンディー語: लहर)とは、火山砕屑物が水により流動性を持ち重力に引かれ流動する(火砕物重力流)現象で、水と共に山の斜面を流れ下る現象である。火山泥流(かざんでいりゅう、: volcanic mud flow)と同義語として扱われているが、言葉の定義は年代や研究分野により変化をしており定まっていない[1]1919年インドネシアケルート山の噴火で初めて科学的に調査され、現地語から命名された。元来のヒンディー語での意味は波である[注釈 1]

解説

火山噴火により直接的に引き起こされる様式と、雨などにより2次的に誘発される2種類の発生様式がある。

直接的に引き起こされる場合は、火山の山頂部が積雪氷河らに覆われていた時に噴火が起こり、その高熱によって雪や氷が融解した際や、火口湖が水で満たされている時などに発生する。大量の水分を含んでいる為に流下スピードは極めて速く、時速100kmを超えることもある。

雨などにより2次的に引き起こされる場合、火山灰が山体周辺に降り積もった後に豪雨などにより流下する場合(1953年の阿蘇山1984年の御嶽山2013年の伊豆大島[2]ほか事例多数)もラハールと呼ぶ(日本では土石流と呼んでいる)。

歴史に残る事例

文学

脚注

注釈

  1. ^ インドのヒンディー語では「लहर」ラハールと表記され、波という意味を持ち、海や川の波、波や水の波動、精神の波動まで含んだ大きな意味で使われる。英語のwaveとほぼ同じ意味を持つ。ヒンディー語は古くからインドなどで話される言葉であり、それが南アジア全体に広がっていき、インドネシアなどの言葉の基ともなった言葉であり、インドネシア語でも影響を受け、ヒンディー語のラハール(लहर)はインドネシア語では流動という意味になったと思われる。

出典

  1. ^ 西本晴男「火山地域における火山泥流,泥流,土石流の表現方法に関する考察」『砂防学会誌』第63巻第2号、2010年、26-37頁、doi:10.11475/sabo.63.2_26 
  2. ^ 山元孝広、川辺禎久「伊豆大島2013年ラハールの堆積学的特徴:ラハール堆積物の粒度組成による分類」『地質学雑誌』第120巻第7号、日本地質学会、2014年、233-245頁、doi:10.5575/geosoc.2014.0022 
  3. ^ 吉本充宏:北海道駒ヶ岳火山 1640年山体崩壊に伴う火砕物重力流堆積物 日本火山学会講演予稿集 2001.2巻 (2001) p.146-
  4. ^ 紺谷和生、谷口宏充「磐梯山1888年噴火によるサージ堆積物と被災記録」『東北アジア研究』第8号、東北大学東北アジア研究センター、2004年、71-90頁、ISSN 1343-9332hdl:10097/41091 
  5. ^ 1926年十勝岳泥流災 (PDF) 内閣府 「災害教訓の継承に関する専門調査会」
  6. ^ 宮本邦明、鈴木宏、山下伸太郎、水山高久、「十勝岳大正15年(1926年) 泥流の再現計算」 水理講演会論文集 1989年 33巻 p.361-366, doi:10.2208/prohe1975.33.361
  7. ^ 火山泥流の発生・流下過程における土砂水理特性変化の実態解明 -2007年3月18日にニュージーランド・ルアペフ火山の火口湖決壊によって発生した火山泥流の事例- (PDF) 北海道河川財団
  8. ^ フィリピン・マヨン火山火山泥流災害調査 (PDF) 砂防・地すべり技術センター

出典

関連項目

外部リンク


ラハール

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/19 09:30 UTC 版)

ラ・ピュセル 光の聖女伝説」の記事における「ラハール」の解説

『魔界戦記ディスガイア』主人公。『ラグナロック』のエクストラボスとして登場魔王城近く開いた魔界ゲートにエトナ・フロンとともに入り、こちらの世界へやってきた。

※この「ラハール」の解説は、「ラ・ピュセル 光の聖女伝説」の解説の一部です。
「ラハール」を含む「ラ・ピュセル 光の聖女伝説」の記事については、「ラ・ピュセル 光の聖女伝説」の概要を参照ください。

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