ミクロン
【英】micron, micrometer
ミクロンとは、1メートルの100万分の1(10のマイナス6乗)を表す長さの単位である。
ミクロンと、同じく長さの単位である「マイクロメートル」は、同義語である。ただ、マイクロメートルは国際単位系(SI)に含まれているが、ミクロンの方は国際単位系に含まれていない。
ミクロン単位の物体の例としては、直径が数ミクロンの赤血球や白血球などを挙げることができる。
ミクロンの英語の発音は「ミクロン」よりもむしろ「マイクロン」に近い。ただし日本語の中で長さの単位を「マイクロン」と表記することは稀といえる。ITの分野でマイクロンといえば米国の半導体メーカー(マイクロンテクノロジー)を指すことが多い。
マイクロメートル
マイクロメートル(micrometre) | |
---|---|
記号 | μm |
系 | 国際単位系(SI接頭語をつけたSI基本単位) |
量 | 長さ |
定義 | 10−6 m |
マイクロメートル(micrometre, 記号 μm (立体))は、国際単位系 (SI) の長さのSI単位である。
マイクロメートルはメートルにSI接頭語のマイクロをつけたものであり、1 マイクロメートルは 10−6 メートル (m) に等しい。よって、0.001 ミリメートル、1000 ナノメートル とも等しい。
表記
英語の発音または独語の発音に由来して、しばしば「マイクロメーター」と呼称・表記されることがあるが、計量法上は許されない。
英語での表記は、micrometre であって、micrometer ではない。mètre 法の起源がフランス語であるため、これはSI規則(国際単位系国際文書)、すべてのJIS規格において統一されている。詳細は、メートル#英語表記を参照のこと。
英語の発音では、micro の最初のシラブルに強アクセントがある。なお、測定器具としてのmicrometre(またはmicrometer)(マイクロメータ)の場合は、microの第2シラブルにアクセントを置くのが普通である。
単位記号は、立体の μmである。μを斜体にして「μm」と書かれることがあるが、誤りである(マイクロ#表記)。
μm | μm | ||||
立体(正しい) | 斜体(誤り) |
ミクロン
以前は同じ長さのミクロン(micron, 記号:μ)という単位が使われていた(これには測定器具のマイクロメータ(micrometer)との混同を避けるためでもあった)。 これは1879年の国際度量衡総会(CGPM)で承認されたものであったが、1967年の国際度量衡総会で廃止された。ミクロンはSI併用単位にも含まれておらず、10−6 mを表すにはマイクロメートルを使うのが望ましい。この理由はSI接頭語と紛らわしいからである。
日本の計量法では、その附則第3条第2項及び附則別表第2により暫定的に使用することができたが、1997年10月1日からは使用が禁じられている[1][2][3]。NHK放送でもこの日から、ミクロンに代えてマイクロメートルを使用している[4]。
現在ではマイクロメートルの使用がほぼ定着してきたといえるが、公共放送の番組や独立行政法人の刊行物等でもまれにミクロンの表現・表記がなされていることがあるほか、当然のことながら古い文献では頻出する。さらにミクロンの千分の1の意味でミリミクロン(記号:mμ)という単位が使われ(つまり1mμ = 1 nm)、しかも前後が倒置して(誤植で)μmとなっている(μの千分の1をμmと表記してしまっている。)例があるなど注意が必要である。
符号位置
記号 | Unicode | JIS X 0213 | 文字参照 | 名称 |
---|---|---|---|---|
㎛ | U+339B | - | ㎛ ㎛ | SQUARE MU M |
この符号位置の記号はオペレーティングシステムによって現示される表示が異なる。Linux とAndroid では正しく「μm」と立体で表示されるが、WindowsとiOSでは「μm」と斜体で表示されてしまい[5]、国際単位系(SI)および計量法の規定に反することとなるので、使用しない方がよい。
引用
- ^ 計量法附則第3条第2項、附則別表第2
- ^ 計量法附則第三条の計量単位等を定める政令 第2号、別表第2 項番1
- ^ 計量法附則第三条の計量単位の記号等を定める規則 別表(長さの欄 ミクロン、ミリミクロン)
- ^ 単位の「ミクロン」について Q 放送で「ミクロン」という単位を使ってもいいですか。 A 現在は、単位の「ミクロン」は使いません。「マイクロメートル」を使います。、NHK放送文化研究所、執筆者:メディア研究部・放送用語 滝島雅子、2016-11-01
- ^ ㎛ Square Mu M {utf8}icons
関連項目
マイクロン
英語表記における"micron"は、日本語読みで「マイクロン」とも「ミクロン」とも言われるため、本項においてはこれら両方を取り扱う。
単位
- ミクロン - 長さの古い単位。現在では使用が禁止されている。マイクロメートルに同じ。マイクロメートル#ミクロンを参照。
- マイクロメートル - 長さの単位
- 水銀柱ミクロン - 圧力の単位(1ミリトールに相当する)
地理
- サンピエール島・ミクロン島 - 北アメリカにあるフランス領の島
- ミクロン (町) - ミクロン島内に存在する町
企業
- マイクロン・テクノロジ - アメリカ合衆国に本社を置く半導体メーカーで、日本法人としてマイクロン・ジャパン及びマイクロン・メモリ・ジャパン(エルピーダメモリ)を子会社に持つ。
- ミクロン (自動化) - スイスの機械加工・切削工具のメーカー/オートメーション事業者で、日本においては スイスのDKSHホールディングの日本法人が代理店事業を行っている。
- マイクロン (イメージセンサー) - 日本のイメージセンサー(CMOSイメージセンサー・CCDイメージセンサー)のメーカー
- マイクロン (セラミックス) - 日本の球状セラミックス微粒子メーカーで、現在は新日鉄住金マテリアルズに合併・統合されて同社の社内カンパニーとなっている。
- マイクロン (医薬品) - 日本のイメージング受託臨床試験実施機関(CRO)(研究開発サービス業者)
- マイクロン (歯科医療機器) - 日本の歯科医療機器のメーカー
- マイクロン (広告) - 日本の広告代理業者・ウェブサイトの開発業やスマートフォン向けアプリケーションの開発業者
- パナソニック デバイス販売テクノ - 日本のセンサーデバイスのメーカー(旧称マイクロン)
- 日本ミクロン - 日本の電子回路基板のメーカー
- ミクロン (半導体) (露: НИИМЭ и Микрон) - ロシアの半導体メーカー
ブランド
製品
- マイクロン (学術雑誌) - オランダの出版社エルゼビアが発行する顕微鏡学のジャーナル
- ミクロン (コンタクトレンズ洗浄液) - 日本の眼科医療機器・眼科医薬品・コンタクトレンズケア製品メーカーのオフテクスのブランドであるバイオクレンの製品
架空
ミクロン
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/21 05:19 UTC 版)
以前は同じ長さのミクロン(micron, 記号:μ)という単位が使われていた(これには測定器具のマイクロメータ(micrometer)との混同を避けるためでもあった)。これは1879年の国際度量衡総会(CGPM)で承認されたものであったが、1967年の国際度量衡総会で廃止された。ミクロンはSI併用単位にも含まれておらず、10−6 mを表すにはマイクロメートルを使うのが望ましい。この理由はSI接頭語と紛らわしいからである。 日本の計量法では、その附則第3条第2項及び附則別表第2により暫定的に使用することができたが、1997年10月1日からは使用が禁じられている。NHK放送でもこの日から、ミクロンに代えてマイクロメートルを使用している。 現在ではマイクロメートルの使用がほぼ定着してきたといえるが、公共放送の番組や独立行政法人の刊行物等でもまれにミクロンの表現・表記がなされていることがあるほか、当然のことながら古い文献では頻出する。さらにミクロンの千分の1の意味でミリミクロン(記号:mμ)という単位が使われ(つまり1mμ = 1 nm)、しかも前後が倒置して(誤植で)μmとなっている(μの千分の1をμmと表記してしまっている。)例があるなど注意が必要である。
※この「ミクロン」の解説は、「マイクロメートル」の解説の一部です。
「ミクロン」を含む「マイクロメートル」の記事については、「マイクロメートル」の概要を参照ください。
「ミクロン」の例文・使い方・用例・文例
- オミクロンはギリシャ語アルファベットの第15字である。
- オミクロンはギリシャ語のアルファベットの15番目の文字である。
- 異常に小さな赤血球(直径が5ミクロン未満)
- メートル法の長さで、1メートルの100億分の1(または0.0001ミクロン)と等しい
- 電子工学において,シリコン棒を数百ミクロンの厚さに裁断したもの
- 粒径が10ミクロン以下の大気中に浮遊する粒子状物質
- ミクロンという長さを表す単位
- その高分子フィルムは厚さ数ミクロンで,アゾベンゼンを含んでいる。
- 直径2.5ミクロン以下の微小粒子状物質,PM2.5の値が通常そこではとても高い。
ミクロンと同じ種類の言葉
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