トランポリンとは? わかりやすく解説

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トランポリン【trampoline】

読み方:とらんぽりん

円形方形などのスプリング付き弾力性の強いマット正式にベッドとよぶ)を張った運動用跳躍器具また、それを使った体操種目その上で跳びはねたり空中回転をしたりする。もと商標名


トランポリン

作者ヴァニヤ・レイノヴァ

収載図書アメリカ新進作家傑作選 2006
出版社DHC
刊行年月2007.8


トランポリン

起源と歴史

現在の形のトランポリンが日本上陸したのは、'59年のことである。持ち込んだのはジョージ・ニッセン氏(アメリカ人)で、当時全米チャンピオン連れてトランポリンの普及日本訪れた…というよりは売り込みに来たと言う方が正しいかもしれません。

「トランポリン」の語源中世ヨーロッパサーカス芸人の名前からきており、空中ブランコの下に張られネット利用していろいろな宙返りをして見せたのがその始まりではないかと言われています。

時は流れ、'30年代入り第2次世界大戦が始まると、アメリカではパイロット養成一過程として格納庫100台程の固定式トランポリンを並べ空中感覚の育成のために使用しました大戦後前述ニッセン氏はこの運動の素晴らしさに目をつけ、スポーツとして確立できないものかと考えました物づくり趣味であった彼は台を組み立て式改良し移動収納簡単にできるものを考案。そして、トランポリン会社設立し全世界に向けトランポリンの販売普及始めたのです。当時日本持ち込まれ第1号の台は、現在でも早稲田大学のトランポリンの授業使用されています。

彼が作ったトランポリンは当時アメリカ社会爆発的なブーム巻き起こし全米にトランポリン場が乱立しました。一時我が国でもボウリング流行しボウリング場全国にできたのと同じ状態が起こったのです。

ところが、エスカレートするにつれ怪我人続出し、しかも頚椎損傷などの重傷者が出たことから LIFE誌がトランポリンは危険なスポーツであると決め付けしまいました。このことにより一気ブーム去り、トランポリン場は倒産閉鎖追い込まれました。純粋にスポーツとして愛好していた者たちにとっては非常にショック出来事であり、その後アメリカでは教育の場でトランポリンが取り上げられることはほとんど無くなりスポーツクラブだけで細々続けられることとなりました

しかし、その陰でヨーロッパ渡ったトランポリンはこのことを教訓に、ドイツ、フランスイギリス等を中心にきちんとした指導の下に競技スポーツとして確立されていったのです。


特徴

トランポリン競技は、演技美しさと技の難しさ競う採点競技です。試合はまず第1演技、第2演技からなる予選行い上位8名が決勝進出し再度演技し順位決定します演技10種類異なった技を連続して行い、その完成度競います演技美しさ審査する演技審判員は5名おり、最高点最低点削除した3名の合計点が演技得点となります。これに技の難しさ審査する難度審判員が、技を点数化した難度点(第1演技では選手指定した2種目分、第2演技では10種目分)を出し、それらを加算したものが選手得点となります演技中のジャンプの高さは男子選手では7mにもなり、間近見ていると自分の上降りかかってくるような錯覚をおこすほどの迫力です。

決勝予選得点全て無くなり決勝行った演技得点だけで争われる一発勝負です。そのため得点差をつけて1位で予選通過した選手安心することはできず、逆に8位で予選通過した選手でも一発逆転優勝チャンスがあり、観客にとってはどの選手優勝する予想がつかず、まさに手に汗握る勝負観戦できるのです。

個人競技得点算出方法
  1審 2審 3審 4審 5審 難度 合計
 第1演技 9.1 9.3 9.5 9.4 9.2 2.3 30.2
 第2演技 8.7 8.9 9.0 8.6 8.8 13.5 39.9
 得 点             70.1
※第1演技1審、3審カット 第2演技は3審、4審カット

種目

種目は個人シンクロナイズド団体ありますシンクロナイズドは、2名の選手2m離れて並行置かれた2台のトランポリンで全く同じ演技同時に行い演技難度加え同時性競う競技です。2名の選手動きがどれだけ正確に合うかが勝負分かれ目となり、息がぴったり合った演技は非常に見応えありますまた、団体は4名で構成され個人の第1演技、第2演技それぞれの上位3名の得点合計予選順位決定します上位5チーム決勝進出しチーム3名が演技行い、その合計点で優勝チーム決定するのです。

シンクロナイズド競技得点算出方法
  1審 2審 3審 4審 5審 同時性 難度 合計
 第1演技 9.1 9.3 9.5 9.4 9.2 18.0 2.0 47.9
 第2演技 8.7 8.9 9.0 8.6 8.8 19.5 13.5 59.4
 得 点               107.3

これから

最後にこれから展望ですが、'05年の6月ブルガリア行われたワールドカップ日本選手団世界各国驚嘆させるとんでもない成績収めました男女個人男女シンクロ4種目中、女子個人を除く3種目で優勝したのです。これまでの国際大会で、これほど好成績収めた国はかつて無かったのではないでしょう日本選手、特に男子選手演技完成度の高さ難度の高さに場内惜しみない拍手送ってくれました

そして、9月オランダ行われた世界選手権大会も、日本男子個人2位3位シンクロ3位団体2位優勝こそ逃したものの、他の国圧倒する好成績収めたのです。

しかし、安心してはいられません。今回団体優勝した中国がすでに真後ろ迫ってきているのです。彼らの力は我々の想像を遥に超えたものです。中国はつい最近までトランポリンは正式競技として行ってはいませんでした。'95年中国体育科学研究所の譚所長に何故中国ではトランポリンを行わないのか尋ねたことがあります彼の答えはたった一言オリンピック種目ではないから」でした。ところが’97年9月シドニーオリンピックから正式種目になることが決まるや否や翌年オーストラリア行われた世界選手権大会大調査団を派遣し各国選手練習から本番まで全てビデオ録画して帰ったのです。それだけではなく1セット百万円もするトランポリンを40セット買って帰り全国体育学院配りコピー作成し才能ある子供たちを集め練習開始したのです。百万といえば中国では家が1軒建てられる金額です。

さらに驚いたことは、その年の12月行われたワールドカップ早くも選手派遣してきたのです。当時実力まだまだ日本Bクラス程度でさほど気にも留めませんでしたが、その9ヶ月後に行われた世界選手権大会では世界トップレベル難度を持つ選手成長していたのです。これには我々もかなり驚かされました。もしオリンピックに出場するためにアジア予選が行われるようになれば、日本出場獲得できなくなる可能性出てきたからです。

今後中国だけでなく、更なる国が名乗りを上げてくる可能性は非常に大きく日本の各選手監督、コーチそのことをよく踏まえて今後選手育成精進していかなければならないのです。



トランポリン

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/05/27 14:01 UTC 版)

トランポリン
落下防止用のネットが装備されたレクレーション用トランポリン

トランポリン(Trampoline)は、四角、もしくは丸型の枠に伸縮性のある丈夫な布を張り渡しゴム・ケーブルまたはスプリングで固定した運動器具。この上で人が跳躍をくり返すと反発力により、トランポリンを使用しない時の数倍もの高さにジャンプすることが可能となる。

起源は中世のサーカスだといわれているが、スポーツとして普及したのは1930年代以降、日本に紹介されたのは1959年(昭和34年)である。今ではレクリエーションに、競技に、エクササイズに、他の運動種目のトレーニング用に、と幅広く活用され楽しまれている。オリンピックでもトランポリン競技が2000年シドニーオリンピック大会から正式種目となっている。

歴史

中世ヨーロッパのサーカス芸人Du-Trampolinが空中ブランコ下に張られていた安全ネットをヒントに考案したのが始まりとされている[1]。初期のトランポリンはスポーツ競技ではなく遊戯的な要素を持つサーカスに近いものだった[1]

第二次世界大戦中、アメリカではパイロットの養成課程で空中感覚の技術習得のためにトランポリンが使用された[1]

トランポリンをスポーツとして確立したのはジョージ・ニッセンアメリカ合衆国体操競技選手)といわれており製造会社を設立[1]。1960年代になるとアメリカ社会ではトランポリンが爆発的なブームとなりトランポリン場が各地にできた[1]。日本におけるトランポリンは、ニッセン社と技術及び資本提携を行っていたセノー株式会社がトランポリンの製造を開始し、1960年にトランポリンの商標登録を行っている。

その後、アメリカではトランポリンによるけが人が続出したことで一気にブームは下火となり、各地にあったトランポリン場が閉鎖に追い込まれてしまった[1]。その経験からヨーロッパに渡ったトランポリンはきちんとした指導下で行われる競技スポーツとして確立されていくことになった[1]

構造

スチールで出来た枠は「フレーム」、布部分は「ベッド」という。ベッドは多数のゴム・ケーブルまたはスプリングで枠に固定する。 フレームの上にはクッション材として「フレームパッド」を置く。 折りたたんで収納できるようになっている。

サイズ

体操競技用のものは長方形のフレームだが、家庭でエクササイズに用いる物には丸いフレームのものもある。

  • スモールサイズ:ベッドサイズが約3m×1.5m
  • ミドルサイズ:約3.6m×1.8m
  • ラージサイズ:約4.3m×2.1m(公式競技用)

跳び方

基本的にはまっすぐ立って膝を曲げずに跳躍する。跳躍を繰り返すうちにどんどん高く跳躍できるようになる。手を上げ下ろし、あるいは左右に動かしてバランスを取る。

靴下を履いて行う。

垂直跳び以外に、膝落ち(ニードロップ)、腰落ち(シート)、腹落ち(フロントドロップ)、捻り跳び(ピルエット)、抱えとび(タック)、四つんばい落ち、開脚跳び(ストラドル)、閉脚跳び(パイク)、ターンテーブル、ローラー、スィブルヒップス、バラニー、ルディー、ランディー、エディー、など色々な技(跳び方)があり、トランポリン競技ではこれらから10種目を組み合わせて演技する(跳ぶ)。

跳躍を止める時は、着地時に膝と腰を曲げて反発力を吸収し、両手を斜め上に上げてバランスを取って止まる。

注意点

高く跳んでいるときにバランスを崩してフレームに着地したりベッドから落下すると大変危険である。

跳躍はできる限りベッド中央で行うこと。トランポリン使用の際は指導者の監督の下、周りに複数の補助者を配置しておく必要がある。

各種のトランポリン

競技トランポリン

トランポリン競技(個人競技)
  • 個人競技:一人ずつ飛んで演技を競う
  • シンクロナイズド競技:2人1組となり、トランポリンを2台並べて2人が同時に同じ10種目を跳び、他の組と演技を競う。

オリンピックでも2000年シドニー大会から、新体操と並び、体操競技の一部門として正式種目となっている。大学でもトランポリンクラブがあり、全日本学生トランポリン選手権大会(インカレ)も42回(2007年度)を数え、団体戦と個人戦があり、男子強豪校は日本体育大学金沢学院大学早稲田大学慶應義塾大学学習院大学北翔大学静岡産業大学、女子強豪校は日本体育大学、金沢学院大学、早稲田大学、阪南大学文教大学などで、大学日本一を目指ししのぎを削っている。

トランポビクス

トランポビクスは1人用のミニトランポリンを用いて、トランポリン上での運動にエアロビクス(有酸素運動)を取り入れたもの[2][3]。1985年(昭和60年)に考案された日本発祥のニュースポーツの一種とされている[2][3]。1985年には日本トランポビクス協会も発足している[3]

ジョグと呼ばれる円形トランポリンの上で軽快な音楽に合わせてエクササイズを行う[2]。公認のジョグ(円形の小型トランポリン)は直径86cm、高さ20cm[3]。トランポビクスに使用するトランポリンは、床よりも柔らかいが、競技用など大型のトランポリンよりは硬く、体への負担が軽減されている[2][3]。なお、公認トランポビクス指導員資格制度がある[3]

レクリエーション・トランポリン

レクリエーション・トランポリン

略して「レクトラ」。楽しむためのトランポリン。 靴を脱いで靴下で行う。高く跳ぶことで開放感を味わうことができる。空中でのバランス感覚を養うことができる。市立体育館でトランポリン教室を開いている自治体、クラブ活動や体育の授業に取り入れている学校、園庭にトランポリンを備えている幼稚園などもある。また、トランポリンを置いている遊園地もある。

  • バッヂテスト:日本体操協会(旧日本トランポリン協会)では初心者が自分の上達を確認できるよう5級から1級までのバッヂテストを実施している。
  • シャトル競技:トランポリンを2台並べ、2人の競技者が向き合って交互に跳ぶ競技。

その他

トランポリンが設置された遊戯施設などにおいて、トランポリンで遊んでいて重傷を負う事故が、2010年以降で80件以上発生していることが、2022年11月11日付の新聞報道で明らかになった。高くジャンプすることが可能な公式競技用のトランポリンを設置していて、そこで宙返りなどの危険行為をしているにもかかわらず、施設側が注意せず、このため事故が多発しているとして、消費者庁が施設名を公表し注意喚起する事態となっている。また、遊戯施設の監督官庁である経済産業省も、安全対策を定めた指針の策定を検討している模様である[4]

出典

  1. ^ a b c d e f g トランポリン”. 公益財団法人 笹川スポーツ財団(SSF). 2022年1月9日閲覧。
  2. ^ a b c d 9 トランポビクス”. とやまスポーツ情報ネットワーク. 2022年1月9日閲覧。
  3. ^ a b c d e f トランポビクス 「いつでも・どこでも・気軽に」日本生まれの新感覚スポーツ”. 公益財団法人 笹川スポーツ財団(SSF). 2022年1月9日閲覧。
  4. ^ トランポリン、遊戯施設で大けが相次ぐ…国が安全対策指針を検討 読売新聞 2022年11月15日

関連項目

外部リンク


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