クリプキの解釈
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/24 15:52 UTC 版)
1982年にソール・クリプキは著書『ウィトゲンシュタインのパラドックス──規則・私的言語・他人の心』でこの手の主張に対する新しくて革新的な説明を発表した。クリプキはこのパラドックスを201章で『哲学探究』の中心的な問題であるとして議論している。彼はこのパラドックスを発展させてグルーのパラドックスを作り上げ、帰納と同様に意味の懐疑論に陥ると主張した 。彼は、自身が「クワス算」(記号は⊕)と呼ぶ新しい足し算の形式を提起した。これは、足した結果が57より大きくなる場合を除いて全ての場合で「プラス」と同一である。つまり、: x ⊕ y = x+y, if x, y, ≤ 57, otherwise =5 そして彼は、誰もが私が「プラス」を意味すると思ったよりも前にそれを知ることができたならば、私は実際には「クワス」を意味することはないであろうと問いかけている。彼は、自分の主張によって「我々が形作る新しい適用は暗闇の中の跳躍である。今ある意向は我々が選ぶいかなるものとも調和するよう解釈することができるだから調和も矛盾も存在しない」ということが示されると主張している。 クリプキの説明はヴィトゲンシュタインの考えに忠実ではないと考える評論家もおり、結果的に「クリプケンシュタイン」と言われている。
※この「クリプキの解釈」の解説は、「私的言語論」の解説の一部です。
「クリプキの解釈」を含む「私的言語論」の記事については、「私的言語論」の概要を参照ください。
- クリプキの解釈のページへのリンク