『方南ファミリーコーポ』 特徴的なカタカナ書体で「ファミリー」というワードがあるからか、どこか ファミコン感 のある建て書き。半濁点は意外にも四角。
『方南第一マンション』 平行四辺形に枠取られた仮想ボディいっぱいに収められた斜体の文字がクールな建て書き。斜め具合は 丸ノ内線方南町支線 の路線図を意識しているのかも。
『オガミビル』 金色に輝く明朝体の切り出し文字が堂々としている建て書き。ただ「ミ」を上下逆さまにしてお茶目な一面をのぞかせる秋葉原の人気者。
『州峰備留』 中国の古事成語で、州(領地)と峰(領地を見渡す山)を備え、永く留める(統治する)=「盤石の態勢を築く」の意。ではないことは言うまでもない。
『KAMINARI BUILDING 加美奈利ビル』 特に雷感のないアルファベットと、特に雷感のない当て字が並ぶ。頑張った感のあるMやRの造形、「ビル」の文字がすこし頼りない感じが良い。
『小山ビル』 ビル屋上の給水タンクを匿う格子に取り付けられている建て書き。直線的なフォントも格好良い。アンテナまであって、ぎゅっと良さが集まっている様子。
『天神ハイム』 特徴的な「ハ」だと思ったら左右のパーツも上下も逆さまになっている施工ミス系。台風で剥離、のちに全部撤去されてしまいました。とてもかなしいです。
『淸水荘』 アンテナや配線に邪魔されながらも、筆書体風のペイントで書かれた旧字体の「清」が目を惹く建て書き。水は仲良く分けましょうと四世帯の真ん中に。
『柴﨑リバーサイドM』 エントランスの庇に奇麗な半円を描いた建て書き。仮名本体に接着する濁点の処理の仕方が「﨑」の字体にも伝染して新しい漢字が生み出されつつある。
『ヨシカワBUL』 ヨシカワブル。完全無欠のブル。誰が読んでもブル。これで「ビル」と読めると思ったのか、発音してみなかったのか、ちょっと突進しすぎ(それはBULL)。
『天神ロイアルハイツ』 書体の統一感と裏腹にサイズや配置にはそれを感じさせない建て書き。両端の文字ではなく「天」と途中の「ハ」を繋ぐのも、そこに英字表記するのも斬新。
『蕨セントラルハイツ』 市境が近いからか「ここは川口じゃなくて蕨だぞ!」と言わんばかりの建て書き。一画目がとにかく太い筆の書体も、頭上の照明もとても力強くて良い。
『KOMATSU LAURIER』 コマツローリエの紙をちぎって形作ったような可愛い書体の建て書き。ただ「S」は果たしてそれが正解なのか、自分で紙をちぎって試したくなる。
『湯島ビルヂング』 ビルヂングという名前にふさわしい金色の切り文字タイプの建て書き。所々バランスが崩れているところに愛嬌を感じる。個人的には「ン」が優勝。
『メゾン・ド・タクマ』 建て書きに上から被さってしまうものは 注連飾り だけかと思っていたけど、出ました、クリスマスリース!きっとあそこに色んな物吊るしてるんだろうな。
『大福ビル』 おいしそうな名前。斜体の明朝体と、大福というよりきなこ餅色のタイルの色は保護色になりそうな一歩手前で絶妙にマッチしている雰囲気。
『シゲモリ会館』 電線が凄い。それを見越してか、電線を潜ったところでばっちり拝めるナイス配置。発光タイプなのも、こういう「会」の処理の仕方も好き。