多摩線延伸に合意 2027年実現に向け前進
石阪丈一町田市長は5月26日、加山俊夫相模原市長との懇談会の中で、「小田急多摩線延伸」の2027年までの実現に向け取り組みを進めることで合意し覚書を交わした。これにより唐木田駅から町田市を通り、相模原市につながる新路線計画が前進する。
覚書には、「リニア中央新幹線の開業が予想される2027(平成39)年までに小田急多摩線延伸の実現(開業)を目指した取り組みが進められ、沿線のまちづくり計画の策定など必要な事項について積極的に取り組みを進める」と記されている。
延伸計画は2006年に両市によって検討会が設置され、その後更なる検討の深度化を図るため2012年に「小田急多摩線延伸に関する研究会」を設置し、調査を実施してきた。その調査結果の報告書によると、延伸区間に3駅の整備を基本として、相模原市内は既存のJR横浜線相模原駅とJR相模線上溝駅を利用し、町田市内に関しては新駅の設置を提言している。新駅は町田市小山田地区に設置されるとみられ、周辺道路の状況などから高架での開業となる見込み。
概算建設費の試算について報告書では、用地費。土木費・設備費などの工事費と諸経費を合せて1080億円と見込んでいる。
新路線実現将来の展望
報告書によると、延伸の意義・必要性を「広域的な都市構造の形成」「まちづくりの促進、地域経済・産業の活性化」「首都圏西部の鉄道ネットワーク機能の強化」「社会的要請への対応」の4つをあげている。町田・相模原両市を114万都市としてとらえ、一体的な都市力の向上を狙うという。
需要予測については、2026年には輸送人員が6万9700人/日とし、駅別の乗降人員は新駅で7200人/日、相模原駅で3万7900人/日、上溝駅で3万300人/日を見込んでいる。2040年には人口減少に伴い、それぞれ約10%減と予測している。運行本数は朝夕のピーク時に急行3本/時、各停6本/時を基本としている。運賃は小田急電鉄の運賃に加算運賃50円を見込んだ。
事業採算性は単年度資金収支で11年後に黒字に転換し、累積資金収支は36年後に黒字になると予測。
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