“偽ベートーベン”佐村河内守氏(50)が7日、都内のホテルで約400人の報道陣を前に謝罪会見を行った。
佐村河内氏によると、再検査の結果「感音性難聴」ではあるが「聴覚障害ではない」ため、すでに障害者手帳は返納したという。しかし音声がひずみ、聞き取れないのは「ウソ偽りはない」とし、手話通訳が必要であることを強調した。その後、メディアとの質疑応答は手話通訳を介して行われた。
佐村河内氏は18年間、世間を偽ったことについて「罪の意識はあった。(作曲者として表に出ることについては)最初に自身に作曲の依頼があったから。しかし(自分の名前が大きくなり)どんどん制御できなくなった」と説明。「自分が名声を得るためにたくさんの人を犠牲にしたのでは」と問われると「断じて違う」と否定。障害者や被災者、被爆者を利用したとの指摘にも「光を当てたいと思ったのは、天地神明に誓って本当」とし、一応低姿勢に話した。
ただ、質問が新垣氏に及ぶと佐村河内氏はヒートアップ。さらに「週刊文春」で記事を執筆したノンフィクション作家・神山典士氏が質問に立った際には、感情的になったのか、ステージ下にいた手話通訳を通さず“即答”。そのことを神山氏に突っ込まれ「ふざけたことはやめてもらえます?」と機嫌を損ねる場面もあった。これには手話通訳も苦笑いを浮かべるしかない。
恨み節は当然「週刊文春」に向けても同じ。ペンで事実に反する箇所をマーキングするなどして「一番悪いのは私ですが、どうしても違うことは違う、と訴えたい」と語気を強める場面もあった。新しい弁護士はほぼ内定しており、来週にも会うという。
今後どう生活するかは全く決まっていない。「何をしていいか考えられない。まずは(関係各所に)謝りますが…。田舎で自給自足の生活をするんでしょうかね」とポツリ。騒動が発覚したとき、妻に離婚を申し出たものの「しない」と拒否されたという。現在2人は、横浜市内のホテルを転々とする生活を送っている。髪の毛をばっさり切ったのも元美容師の妻だったという。