芸能活動引退に発展した中居正広さんの女性トラブル問題を巡り、幹部社員の関与が報じられたフジテレビの対応に逆風が強まっている。接待文化と批判され、危機感から社員の労働組合加入も相次ぐ。問題の根底に女性を補助的な役割として扱ってきたテレビ局のジェンダー意識があるのではないか。価値観は番組にも反映される。テレビ局に求められることは。
(早川由紀美、森本智之、安藤恭子)
(早川由紀美、森本智之、安藤恭子)
◆港浩一社長の会見に憤慨「被害女性は置き去り」
芸能関係者の女性が中居正広さんから意に沿わない性的行為を受けたなどとする、昨年末の週刊誌報道から始まった今回の問題。今年1月の「週刊文春」の続報では幹部社員の仲介でホテルで中居さんの接待をさせられたとするフジテレビの現役女性アナウンサーも匿名で証言し、フジの対応に焦点が移った。
一連の報道を受けて、ある在京局の50代の元アナウンサーは「女性アナウンサーが『女子アナ』と呼ばれ、色物として扱われる状況はずっと変わっていない」と衝撃を受けたという。
フジの港浩一社長(72)は17日の記者会見で接待が常態化しているのかと問われ「そういったことはなかったと信じたい」と述べた。自身の関与などについては「私も調査対象なので答えは控える」と明らかにせず、具体的な事実関係の調査は今後の調査委員会に委ねるとした。この元アナウンサーは、記者の数が制限された会見に加え、「被害女性は置き去り、男性ばかりを守っている」と憤る。
◆週刊誌記者が張り込み…「会社に守られていない」
交流サイト(SNS)上では胸元を強調されるなど男性目線で切り取られた「女子アナ」の画像があふれ、イベントなどではカメラの望遠レンズを向けられる。会社員ながら週刊誌記者に張り込みされる。テレビ局側も写真集やカレンダーを出すなど、アナウンサーを商業的なコンテンツとして扱ってきた。「会社に守られていない」と思う。
元アナウンサーは、出演時には...
残り 2225/3030 文字
今なら最大2カ月無料
この記事は会員限定です。
- 有料会員に登録すると
- 会員向け記事が読み放題
- 記事にコメントが書ける
- 紙面ビューアーが読める(プレミアム会員)
※宅配(紙)をご購読されている方は、お得な宅配プレミアムプラン(紙の購読料+300円)がオススメです。
カテゴリーをフォローする
おすすめ情報
コメントを書く
有料デジタル会員に登録してコメントを書く。(既に会員の方)ログインする。