地震や豪雨といった災害時に安否確認がないなど、非正規公務員が公務の現場で正規との「安全格差」を訴える声が出ている。当事者団体はアンケートによる実態調査を始めた。団体のスタッフは「非正規は大切にされていない」と語った。(畑間香織)
◆朝から暴風雨、上司から何の指示もなく…
台風10号が鹿児島県に上陸した今年8月29日、九州地方のハローワークで非正規の相談員として働く女性の地域も、早朝から暴風雨だった。地域の学校は休校なのに、職場から閉庁や出勤などの指示はない。車を運転しての出勤は危ないと女性は判断し、上司に有給休暇を使うと連絡した。
その後に正午からの閉庁が決まったが、全職員の電話番号を記した緊急連絡網は使われず、日ごろから訓練をしているアプリを使った安否確認さえなかったという。家が遠い正規職から退勤し、所長と、職場に家が近い非正規が残って来庁者の対応をしたと同僚から聞いた。
その日は、国や自治体で働く非正規公務員の当事者団体「非正規公務員voices(ヴォイセズ)」のLINEのオープンチャットでも、台風被害の話題になっていた。「正規職は在宅になっていたが、非正規は出勤しないといけなかった」「休校のときに非正規も『自宅待機で良いよ』と言われるのは、そのときの管理職による」など、災害時における「非正規と正規の対応の格差」のコメントが多く寄せられた。
◆避難生活中もなかった「安否確認」
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