人事院は28日、国の非正規公務員(期間業務職員)について、公募試験をせずに再度の採用ができる回数を原則2回までとする「3年目公募」の制限を撤廃すると各省庁に通知した。3年目公募の際に雇い止めが増えることへの懸念に対応した形で、雇用の安定に寄与する可能性がある。(畑間香織)
非正規公務員 有期雇用で働く国や地方自治体の職員。内閣人事局によると、期間業務職員と呼ばれる国の非正規職員は約3万8000人(2023年7月時点)いる。省庁の事務補助員やハローワークの相談員が多い。総務省によると、会計年度任用職員と呼ばれる地方の非正規職員は約66万人(23年4月時点)。保育士や司書、各種相談員など専門職に多いのが特徴。
◆国の制度は地方の非正規地方公務員にも影響を与えていた
人事院が昨年8月以降に実施した各省庁へのヒアリングの中で、再採用者の3年目に公募することで、能力や経験のある職員が公務職場から流出しているとの指摘を受けたため、見直すことにした。優秀な人材の確保が目的だという。
もともと期間業務職員は、原則毎年公募して採用する。ただ、勤務実績などが認められれば、同じ職員を「連続2回を限度」に公募によらず再採用できると、同院が2010年に各省庁に通知。再採用を2回までに制限する理由は「国民が公務に応募する機会を広く設けるため」(担当者)とされていた。
今回、再採用の制限を撤廃することで、スキルや経験のある職員の再採用を繰り返すことが可能になるものの、公募によらない再採用を続けるか、公募をするかの判断は各省庁に委ねられており、運用が今までと変わらない可能性もある。
再採用を2回までとする...
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