朝7時から夜10時まで「ドン、ドン、ドン」 横浜環状南線「桂台トンネル」工事 騒音と揺れに住民は「限界」

2024年6月15日 07時09分 会員限定記事
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桂台トンネル工事現場のフェンス前で、現場責任者に騒音・振動対策を訴える住民ら=横浜市栄区で

 高速横浜環状南線の「桂台トンネル」建設工事が進む横浜市栄区の湘南桂台地区で、騒音と振動などに沿線住民が悩まされている。市民団体「横浜環状道路(圏央道)対策連絡協議会」(連協)は、大型シールドマシン(トンネル掘削機)が原因とみられると指摘。「生活に支障をきたすレベルで我慢の限界に来ている」と、事業者の国と東日本高速道路に対策を求めている。現地を訪れ、「被害」を体感してみた。(阿部博行)

◆2021年1月にシールドマシンの掘進が始まった

高速横浜環状南線と桂台トンネル区間の概要図(大成建設など共同企業体のパンフレットより)

 東日本高速道路によると、桂台トンネルは延長約1.3キロ。2021年1月に直径約15メートル、全長約12メートルのシールドマシンで掘進を開始した。その年の7月にマシンが故障したため、半年以上の中断を経て再開し、22年9月に上り線を完了。下り線は23年5月から着手し、現在は4割に当たる540メートルまで掘り進めた。
 実際の音と振動はどの程度なのか。記者は今月6日、連協の比留間哲生会長(84)の紹介で沿線住民の後藤みゆきさん(63)宅を訪ねた。工事の現場は、歩道と車道を挟んだ場所の地下にある。進行状況を伝える告知板が設置されており、確認すると深度27.8メートル地点でマシンが稼働中だった。

◆メダカの水槽が揺れ続ける

 1階のリビングに通されると「ドン、ドン、ドン」と、太鼓をたたくような重低音が床や壁、椅子を通じて耳と体に響いた。いつまでもやむ気配がなく、不快感が募る。「朝の7時台から夜10時まで、この調子なんですよ」と後藤さん。「何度も苦情を申し入れているが、改善されない。事業者は公共事業の担い手としての資質と責務が欠けている」と怒りを隠さない。
 近所の主婦(88)にも話を聞くと、自宅で飼うメダカの水槽の水が揺れ続け、訪問客から「この不愉快な音は何?」と驚かれたことがあるという。「何日かたてば収まると思って我慢していたが、...

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