17日告示 沼津市長選 市の現状と課題 アニメ「聖地」でも人口減 内浦地区の住民「存続へ振興策を」

2022年4月14日 07時34分 会員限定記事
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内浦地区の将来への不安を話す大村文子さん=沼津市で

 任期満了に伴う沼津市長選は十七日告示される。今のところ、無所属現職で再選を目指す頼重秀一さん(53)だけが立候補を表明している。市の現状と課題を探った。(渡辺陽太郎)
 淡島越しの富士山が美しい沼津市南部の内浦地区の中心部を休日、多くの人が行き交う。二〇一六年、内浦が舞台のアニメ「ラブライブ!サンシャイン!!」が放送されると、市街地から離れた地域が「聖地」となり、その活気は今も続く。
 三月下旬、内浦地区の観光案内所「三の浦総合案内所」には、平日にもかかわらず次々と客が訪れていた。関連グッズで飾られた室内は聖地の一つとなっている。案内所の大村文子さんは「休日はもっと多い。放送前はガラガラだったのに」と話す。
 ファンは主人公の実家のモデルとなった旅館や、劇中で描かれた海水浴場などを巡礼。関連グッズ購入や飲食で地域経済を潤す。内浦地区連合自治会の大越則敏会長(71)は「見慣れない人が増え、最初は不安もあったが、ファンはあいさつを欠かさずマナーがいい。大切な存在だ」と喜ぶ。数々のイベントが企画され、ファンをもてなした。コロナ禍でも交流サイト(SNS)を通じ、ファンとつながりを保った。
 好影響は内浦だけではない。一九年の市への転入者は転出者を上回り、三十七年ぶりの「転入超過」となった。市は「アニメも一因」とみる。
 しかし、実際は放送後も内浦の人口減少は歯止めがかからず、住民は地区の存続に不安を抱えている。〇三年三月に約二十万八千人だった市の人口は先月末で約十九万人、内浦は約二千五百人が千六百人に減った。市全体の人口は当時の約91%だが、内浦は約63%と減少が著しい。
 市中心部から離れ、鉄道駅や高校が...

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