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サン・マキアージュ (Sans Maquillage)/自由が丘

自由が丘駅から歩いて7-8分の「サン・マキアージュ (Sans Maquillage)」。レンガ造りの面白い外観が目印です。店名は「化粧なしで」という意味です。
店内は白を基調としており窓も大きく、明るく開放的な雰囲気です(写真は公式ウェブサイトより)。

梅澤聡シェフはフランスで腕を磨いたのち、帰国後は「山の上ホテル」で経験を積んだのち、2012年に当店を開業しました。
ワインは高くなく、泡白赤の3杯セットが3千円台だったと記憶しています。ボトルのワインも1万円を切るものが多く、やはり都心3区とは物価が違うなあとしみじみします。お食事は魚と肉の両方楽しむことができるランチコースでお願いしました。
前菜は若鶏のガランティーヌに真鯛のキッシュ。王道のフランス総菜といった仕様であり、素直に美味しい。
パンは自家製で天然酵母を用いているとのこと。なるほど噛めば噛むほど複雑な味覚を愉しむことができます。
お魚料理はスズキのポワレ。ちょっと火入れが強すぎるのか、皮目から苦味が感じられたのが残念。ソースはトマトを土台にアンチョビもきいており、思いのほか酒を呼ぶ調味です。
お肉料理は豚ほほ肉の赤ワイン煮。肉の旨味が凝縮され、深いコクと香りが心地よい。バルサミコ酢も用いており、程よい酸味が複雑な味わいを演出します。少し量が少ないかな。美味しいだけに勿体ない。
デザートはカボチャのプリン。こちらも味は悪くないのですが、え?これだけ?というポーションであり、フランス料理の醍醐味が失われているような気がします。
ハーブティーとお茶菓子でフィニッシュ。ごちそうさまでした。

以上を食べて軽く飲んでお会計はひとりあたり9千円ほど。味は悪くないのですが、量が少ない分、やや割高に感じました。ぜんぜんお腹いっぱいにならず、この後にクレープ屋に向かったほどです。ただしこれは我々が大食いなだけで、このあたりに住むマダムたちはこのくらいで丁度良いのかもしれません。お疲れ様でした。

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クレープス ノカオイ(Crepes NoKa'Oi)/自由が丘

コロナ真っ盛りの2020年6月に自由が丘にオープンした「クレープス ノカオイ(Crepes NoKa'Oi)」。もともとはハワイのカイルアで創業したクレープ屋であり、「ネクストパンケーキ」として話題となったようです。私は割とハワイに行く機会が多く、つい先日も遊びにいったばかりなのですが、「ネクストパンケーキ」というスローガンは全く存じ上げませんでした。
店内はテーブル席が中心にカウンターが数席。気候が良い時期はテラス席も活用しているようです。なのですが、店内に空席はいくらでもあるのに謎に軒先で待たされ激おこぷんぷん丸です。デビューしたばかりの「ビルズ(bills)」と同じ気配を感じました。
看板メニューの「ティキ トーチ(Tiki Torch)」。これだけで2千円弱も要するのですが、大きさも中々のものです。クレープ生地に鶏肉やホウレン草、トマトにタマネギなどが組み込まれており、トップにはバジル風のソースが注がれています。
いわゆる食事系クレープであり、不味くはありませんが、美味しくもありません。コンビニの具沢山サンドイッチと本質的には変わらない。うーん、これなら気の利いたピザでも食べた方が満足度が高いなあ。
こちらはガレット。蕎麦粉を含んだタイプのクレープですが、フランス料理系統のガレットを食べ込んで来た私としては全く物足りないですねえ。蕎麦粉独特の香ばしい風味に乏しく、奥深い味わいが感じられません。
鳴り物入り(?)で上陸した割に、高いだけでパっとしない店でした。何故こんなものが人気なのだろうと少し調べてみると、カイルアの店、閉店してるやんか。

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「東京最高のレストラン」を毎年買い、ピーンと来たお店は片っ端から行くようにしています。このシリーズはプロの食べ手が実名で執筆しているのが良いですね。写真などチャラついたものは一切ナシ。彼らの経験を根拠として、本音で激論を交わしています。真面目にレストラン選びをしたい方にオススメ。

立呑み中華 起率礼(きりつれい)/自由が丘

学芸大学で大人気の「立呑み 鉄砲玉」の姉妹店「立呑み中華 起率礼(きりつれい)」が自由が丘に開業。デビュー後あっという間に注目を集め、場面で行列も生じるとの情報を得ました。そのため16時ちょうどのオープンに合わせてシャッター待ちしたのですが、開店前に従業員がダベりながら軒先でタバコを吸っているのはロマンに欠けます。そういうのは見えないところでやってくれ。
店内にはカウンターが1本だけあり、先端がアルトサックスのように折れ曲がった形状です。客席数は公称16席ですが、詰めてしまえば何とかなるというスタイル。余程のことが無い限り行列するということはないでしょう。

井上史子シェフはリッツ大阪の「香桃(シャンタオ)」やウェスティンの「龍天門(りゅうてんもん)」、広尾「中華香彩JASMINE」で経験を積んだ凄腕。店内の誰よりも忙しいはずなのに、ゲストへの心配りが素晴らしい。
飲み物は当たりはずれが多いですね。ビールの量と値段のバランスは悪くないですが、自慢のナチュールワインはテイスティンググラスほんの少しで790円と非常に割高。立ち飲みでこれはちょっとなあ。
お料理に参りましょう。看板料理の「よだれ鶏」は広尾「中華香彩JASMINE」の系譜を引き継ぐ味覚だそうで、分厚いカットが特長的。肉そのものの味わいに骨格があり、ゴハンが欲しくなる逸品です。
鶏モツのナントカ漬け。「ナントカ」ってのは紹興酒の酒粕だったっけな?独特の風味がある複雑な味わい。レバーの鉄っぽい味覚と相俟って、お酒の進むひと品です。
蒸し物もあって、手前はエビ焼売に奥が野菜饅。提供に13分を要すると予め宣言しているのがクールですね。当店は料理の提供が大変スピーディー。ゲスト数とその回転率を考えると、中目黒の話題の中華は何であんなに仕事が遅いんだというお気持ちです。
みんな大好き麻婆豆腐。やや甘めに仕上がっており、円熟した味わい。辛味はそれほど強くなく、万人受けする味わいです。色んな味噌の香りがする。
〆に「ハムユイ炒飯(チャーハン)」。もう作っている最中から発酵臭がムンムン。お米はジャスミンライスかな、麻婆豆腐に引き続き香り豊かな料理です。具材は卵とネギだけなのに、表情豊かな味わいです。
日が暮れると三密度合いが増していき、隣の酔っ払いのオバサンに絡まれそうになったので、慌てて帰ることにしました。このあたりはワイガヤ系の立ち飲み屋の難しいところですね。

お会計はひとりあたり6千円で、思ったよりも高くついたなという印象です。ダラダラ飲むというよりも、ビールを1杯、ツマミを2品にチャーハンを食べて3千円、みたいな使い方が適したお店に感じました。

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それほど中華料理に詳しくありません。ある一定レベルを超えると味のレベルが頭打ちになって、差別化要因が高級食材ぐらいしか残らないような気がしているんです。そんな私が「おっ」と思った印象深いお店が下記の通り。

本場志向で日本人の味覚に忖度しない中華料理が食べたい方へ捧ぐ書。東京の、中国人が中国人を相手にしている飲食店ばかりが取り上げられています。ある意味では中国旅行と同じ体験ができる裏技が盛りだくさん。

前芝料理店(まえしばりょうりてん)/二子玉川

大阪は谷町六丁目から二子玉川へと移転してきた「前芝料理店(まえしばりょうりてん)」。大阪時代には食べログで百名店に選出されおり、根強いファンを誇るお店です。場所は二子玉川駅から歩いて10分弱。二子玉川小学校のすぐ近くです。
半地下と呼ぶのでしょうか、風変わりな空間づくりであり、ドーンと大きいダイニングテーブルが印象的。この他にも丸テーブルが用意されているようです。

前芝平シェフはあの「北島亭」出身であり、大阪の名店を経たのちに独立。2021年末に二子玉川へ移転リニューアルオープン。「銀座 大石」のシェフとも世代が近いかもしれません。
ワインはフルペアリングで1万円だったかな。そんなに飲むテンションでもなかったので、まずはビールを頂き、その後はワインをグラスでいくらか頂きました。このビールは日本のもので初めてお目にかかりましたが私の好みです。
まずは生ハム。眼の前でスライスされ臨場感満点。ブツはアメリカ産なのですが、作り手はイタリア人であったりとグローバル化の波は生ハム界隈にも訪れています。生ハムの美味しさは当然として、添えられたタマネギのキッシュが大地を感じさせる甘さでデリシャスです。
続いてコンソメのジュレにウニ。おお!これはまさしく北島亭!丁寧に研ぎ澄まされたコンソメだけでも見事な出来栄えなのに、コクの深いウニを贅沢にダバダバ頂きました。シャバダバだぜ。
野生の細長いアスパラガスにホタルイカとそのソース。仕上げにミモレットを散らします。濃い緑を感じさせるアスパラに、程よい苦味と強い旨味を感じさせるソースが良く合います。
パンはドッシリと密度があり穀物を強く感じさせます。ここだけの話、先のホタルイカのソースと合わせて無限に食べることができます。
こちらはホワイトアスパラガス。こちらも北島亭へのオマージュとも言うべきひと品であり、ハマグリのシュワっとしたエキスをたっぷり吸ったアスパラが乙な味。猛々しい食感の特大ハマグリも良いですなあ。
フォアグラに焼いたタケノコ、フキノトウのソース。私は自らの消化器官の大部分をフランス料理に費やしてきたのですが、この組み合わせは初めてかもしれません。フォアグラのリッチな脂とタケノコの端正な味わいがとてもよく合う。
お魚料理はマナガツオ。みっちりとした食感のマナガツオに春のキャベツをたっぷりのせて頂きます。
お肉料理は複数から選ぶことができ、我々は「花乃牛」というブランド牛のクリの部分を頂きました。真っ赤なお肉と思いきや、意外にも細かくサシが入っており、繊細で歯切れ良く美味しい。炭火の香りも食欲をそそる。加えてドッシリとしたソースにそのワンパクなサイズ感はシェフの古巣を想起させます。
付け合わせにゴソっとポテトグラタンがやって来、その王道極まる味わいに恵比須顔。「a table (ア ターブル)」にせよ、こういう世界観で押してくるフランス料理が私は大好きだ。
デザートかチーズを選ぶことができ、私はデザートをチョイス。紅茶のブランマンジェにハチミツを感じさせるアイスクリーム。フワフワと軽く淡い口当たりがら素材感の強い逸品です。
小菓子と紅茶でフィニッシュ。ごちそうさまでした。以上のコース料理が16,500円で、お酒をそこそこ飲んでお会計はひとりあたり2万円強。都心で楽しめば倍は請求されそうな料理の質および量であり、このレベルのフランス料理店がやって来たことに二子玉川は祝杯をあげましょう。

ランチ活動も活発で、地域に根付いた愛されフレンチになること間違いなし。近くのゲストがフルペアリングで臨んでおり中々のクラスが提供されていたので、次回は私もフルペアリングでお願いしたいと思います。

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ロクロナン(LOCRONAN)/自由が丘

自由が丘駅から田園調布方面へ歩いて10分ほど、学園通り沿いに佇むフランス料理店「ロクロナン(LOCRONAN)」。店名はフランスはブルターニュ地方の美しい村の名から取ったそうです。
店内はテーブルのみ(?)で8席ほどの小さなお店。ご近所の常連風のゲストが多く、居心地の良い雰囲気です。港区女子やパパ活女子などはまず来ないのでご安心を。

石井啓資シェフはフランスの地方のレストランで腕を磨き、帰国後は神田「ビストロ マルサンヌ」のシェフを務め、2011年に独立しました。
ワインが安い。グラスワインは千円前後であり、ボトルワインは何と3千円台から用意されています。それでもブルゴーニュの立派なワインなども取り揃えられており幅広いラインナップでした。
前菜にシャルキュトリ盛り合わせ。全て自家製という拘りようで、この写真が1人前という気前の良さ。ヘタをするとこの1皿で泡が1本空いてしまう勢いでしょう。とりわけ鴨・羊・鹿・牛の生ハム4連コンボが心に残りました。
ブーダンノワール。山盛りのサラダも付いてきて私嬉しい。ブーダンそのものは冷凍焼けしたようなエグ味が感じられたのが少し残念。
クネルが絶品。フワフワとメレンゲのような口当たりでありつつ、お魚の風味もしっかりと伝わってきます。海老の風味の強いアメリケーヌソースもたっぷりで、それをたっぷりと吸ったリゾットの旨さといったらない。本場リヨンの「Paul Bocuse(ポール・ボキューズ)」で食べたそれよりも全然美味しい。
パンも自家製。みっちりと密度が高く、穀物の豊かな香りに圧倒されます。スパチュラよろしく先のアメリケーヌソースをキッチリ拭って至福のひと時。
メインは山鳩。これぞフランス料理といった大迫力のひと皿であり、肉の味わいの良さはもちろんのこと、クラシックなソースにキュン死します。このひと皿で赤ワインのボトル4分の3ぐらい飲んだと思う。
デザートも質実剛健で、濃厚なキャラメルアイスにプリン、シューアイス(?)にチョコソースと万人受けする美味しさ。お腹もいっぱい胸いっぱい。ハーブティーでフィニッシュ。ごちそうさまでした。
以上を食べて泡を1杯にふたりで1本飲んで、お会計はひとりあたり1.5万円ほど。このクオリティのフランス料理を食べてこの支払金額は尊い。まじトゥンク。今回はおまかせコースでお願いしましたが、見れば黒板には王道のフランス料理名がズラリ。次回はアラカルトで片っ端から注文しようと心に決めたディナーでした。

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