清原容疑者 TVでの完全否定が捜査員に火「調子に乗ってるなよ」

[ 2016年2月4日 05:30 ]

3日未明、清原和博容疑者を乗せた車がフラッシュを浴びて警視庁に入る

清原和博容疑者 覚せい剤所持容疑で逮捕

 薬物と銃器を担当する警視庁組織犯罪対策5課で、内偵捜査の中心になったのが“ASKAチーム”だった。捜査関係者が「ASKA事件の捜査に関わったメンバーがやったことは間違いない」と明かした。同課の中に著名人専門班があるわけではなく、話題になる人物をターゲットにした時に編成される。

 捜査員は5、6人。2年近く前から内偵をはじめた。昨年8月から本格的な捜査をはじめた時には、警視庁幹部の人事異動があり「必ず9月中には挙げる」と逮捕に自信を見せていた。

 この直後、ASKAチームの士気に火がついた。清原容疑者がフジテレビ「ダウンタウンなう」に出演。浜田雅功(52)から薬物疑惑について問われ「風邪薬はやったが、(薬物を使ったことは)ない」ときっぱり否定した。この模様を見ていた捜査関係者は「調子に乗ってるなよ」と吐き捨てた。

 ASKA事件の決め手になったのが愛人宅のごみ箱から押収した精液付きのティッシュ。これに覚せい剤の反応が出た。今回も“シャブティッシュ”のような動かぬ物証や覚せい剤の所持容疑を決定づける情報がもたらされたとみられる。多くの薬物事件に関わる捜査関係者も「極めて身近な人からの情報があった」と推察した。

 元警視庁刑事で薬物問題に関わっていた吉川祐二氏は「捜査員の徹底した行動確認によって、クスリが抜けかけているのであれば、また必ずやるだろうという確証を得ている状態だった」とみる。このタイミングで逮捕に至ったことに関し、プロ野球のキャンプインに合わせて逮捕したとの見方については「考えづらい」。昨夏に捜査の手が迫ってから時間がたち「本人が油断したところで踏み込んだ可能性がある」と指摘した。

 ▽警視庁組織犯罪対策部 03年4月、従来の刑事、公安、生活安全部に横断していた外国人、暴力団、銃器・薬物犯罪などの担当課を移行・再編して新設。組織犯罪対策総務課のほか同1~5課までと「組織犯罪対策特別捜査隊」の6課1隊で構成。暴力事件や広域暴力団対策を担当する4課には、昨年9月、指定暴力団山口組(神戸市)の分裂問題に関し、対立抗争の未然防止を目的とする総合対策室が設置された。

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