ソウルからヨボセヨ

新コロナ風景、その後 目立つ空き家 望む「飲食は静かに」キャンペーン

ソウルの繁華街、明洞(中村雅和撮影)
ソウルの繁華街、明洞(中村雅和撮影)

 「K防疫」とかいって新型コロナウイルス対策を誇っていた韓国だが、やはり経済との両立は難しいようで、ソウルの商店街は廃業による空き家が目立ち活気を失っている。観光スポットの明洞(ミョンドン)や梨泰院(イテウォン)では商店の30%が閉店しているとか。筆者が住む学生街のワンルームマンションでも、1階の9つの小商店のうち4つが空いたままだ。

 ソウル中心街のメインストリートで、いつもは若者でにぎわう鍾路2街(チョンノイーガ)でも空室が目立つが、これなど40年近いソウル生活で初めて見る風景だ。こうした自営業の苦境はコロナの事態もさることながら、政府の賃金政策で人件費が急上昇したことも影響している。

 韓国の1日あたりの新規感染者数は一時、2ケタまで落ちたがこのところまた3ケタになって当局は一喜一憂だ。ただ経済活性化の狙いもあって飲食店への規制は多少、緩和され、大衆的な一杯飲み屋や焼き肉屋などは客が戻りつつある。

 そこで気になるのが韓国人の声の大きさ。外ではマスクをしていても飲み食いとなると当然、マスクをはずし大声でしゃべり合う。しかも韓国語は発音が結構激しいので口からのしぶきが多い。当局は防疫対策の一環として食事の際の取り皿、取り箸を奨励しているが、ついでに「飲酒、飲食は静かに」もキャンペーンしてほしい。(黒田勝弘)

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