携帯電話大手の大規模な通信障害が相次いだことを受け、KDDIとソフトバンクが、1台のスマートフォンで2枚のSIM(シム)カードを使う「デュアルSIM」の新料金サービスを提供する方針を固めたことが1日、わかった。2日にも両社が発表する。デュアルSIMは、他社回線に乗り入れる「ローミング」よりも早期に開始できる通信障害対策として、携帯大手首脳が連携する方針を表明しており、両社のほかNTTドコモや楽天モバイルなども提供を検討するとみられる。
デュアルSIMは、契約者情報を記録するSIMカード2枚を1台のスマホに差し込むことで、2社の携帯回線を利用できるようにするサービス。1社が通信障害で利用できなくなっても、もう1社を利用できるため通信障害対策として期待が高まっている。
KDDIとソフトバンクは近く、両社の全国の携帯電話の販売代理店やオンラインストアで、デュアルSIMの提供を始める。携帯大手から回線を借りてサービス提供している格安スマホ事業者はすでにデュアルSIMを提供しているが、大手では初となる。
携帯大手はスマホ販売では激しい競争を展開してきたが、通信障害対策は各社に共通した課題だ。デュアルSIMについてKDDIの高橋誠社長は「大手各社にお互いにやりませんかと声をかけている」、ソフトバンクの宮川潤一社長は「価格をできるだけ抑えながら、皆さんで話し合いをして提供したい」とそれぞれ述べるなど、提供に前向きな方針を示していた。