楽天モバイルがスマートフォンの月額料金「0円」の廃止方針を発表したことで、顧客獲得競争が活発化している。ソフトバンクとKDDIは20日、ポイント還元などのキャンペーンを発表。楽天の発表後にKDDIで2・5倍、ソフトバンクで2倍に申し込みが増えた乗り換え客を取り込む。ただ、楽天は「思ったほど他社に流れていない」(幹部)と静観の構え。関係者からは「楽天が草刈り場になる」との予測も出ており、今後、NTTドコモや格安スマホ事業者もキャンペーンを打ち出す可能性がありそうだ。
ソフトバンクはオンライン申し込み専用ブランド「LINEMO(ラインモ)」の月額データ利用量3ギガバイトまでのプランで最大6カ月間、990円をソフトバンク系のスマホ決済「PayPay(ペイペイ)」のポイントで還元するキャンペーンを開始した。3ギガバイトを実質0円で契約できる形で、楽天モバイルからの〝移籍〟を狙っているのは明らかだ。
同じく、KDDIも20日、基本料0円のオンライン専用ブランド「povo(ポヴォ)」で60ギガバイトや150ギガバイトの大容量データを購入すると最大30ギガバイトが追加されるキャンペーンや、楽天が独自で販売している2つのスマホをポヴォに乗り換え後もそのまま使用できることを発表。こちらも楽天解約者に秋波を送る。