西部邁さん自殺幇助の疑い MX子会社社員ら2人逮捕 警視庁

評論家の西部邁氏=平成24年12月(桐原正道撮影)
評論家の西部邁氏=平成24年12月(桐原正道撮影)

 東京都大田区の多摩川で1月、遺体で見つかった評論家の西部邁(すすむ)さん=当時(78)=の自殺を手助けしたとして、警視庁捜査1課は5日、自殺幇助の疑いで、西部さんの出演番組を担当していた東京MXテレビ子会社社員、窪田哲学(45)=東京都江東区=と、西部さんの知人で会社員、青山忠司(54)=埼玉県上尾市=の両容疑者を逮捕した。

 2人は容疑を認め、「先生の死生観を尊重し、力になりたいと思った」などと供述。自殺に使用した道具は窪田容疑者が「事前に用意した」と話している。

 逮捕容疑は1月21日、大田区の多摩川付近で、西部さんの自殺を幇助したとしている。西部さんは同日午前0時ごろ、長女(49)と一緒に訪れていた東京・新宿のバーを出た後、「人と会う約束がある」と言って長女を先に帰宅させ、行方不明になり同日朝、遺体で見つかった。

 捜査関係者によると、西部さんは発見時、工事現場用のハーネスを着用し、ナイロン製のロープで多摩川土手の樹木につながれていた。手が不自由なことなどから、警視庁は西部さんが1人で作業をするのは困難と判断。長女と別れた後、窪田容疑者と西部さんが一緒に歩いている姿が防犯カメラに写っていた。

 番組の公式ウェブサイトや関係者によると、窪田容疑者は東京MXテレビから子会社に出向し、時事問題などについて西部さんがゲストと討論する同局の番組「西部邁ゼミナール」(終了)のディレクターを務めていた。

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