2024年10月10日ニュース

「HULFT」をメジャーバージョンアップ 12月10日から提供開始

報道関係各位

2024年10月10日
株式会社セゾンテクノロジー

~メインフレーム/オフコン/Linux/Windowsをサポート、統合管理やセキュアなインターネット転送など新ラインアップも追加~

株式会社セゾンテクノロジー(本社:東京都港区、代表取締役 社長執行役員:葉山 誠、以下セゾンテクノロジー)は、オンプレミスシステム対応版として、ファイル連携ミドルウェア「HULFT(ハルフト)」の最新バージョンとなる「HULFT10(ハルフト・テン)」を12月10日に提供開始します。

本製品は2014年に登場した「HULFT8」以来、2024年2月に提供を開始したAmazon ECSなどのコンテナ対応版に続く、第二弾のメジャーバージョンアップです。

背景

近年、企業のデジタル・トランスフォーメーション(DX)が推進される中、システム改革の一環としてオンプレミス環境で稼働していたITシステムをクラウド環境に移行する、クラウドリフトやクラウドシフトが進んでいます。一方、基幹系の生産・販売・在庫管理・財務会計などのシステムは最新のIT技術の採用や刷新が進まず、メインフレームやオフコン、またオンプレミスのLinuxやWindowsサーバーで運用し続けていることも多いのが実情です。

そのような中、企業のITシステムではクラウド技術を採用したモダン環境と、従来のオンプレミス環境が混在することで複雑化が加速しています。また、ビジネスの現場部門におけるデータ連携のニーズは高まっているものの、慢性的なIT技術者の不足によるプラットフォームの差異を超えたデータ連携の遅れや、データ漏洩・改ざんなど連携時のセキュリティ要件への対応、管理工数の効率化などが課題となっており、クラウドからオンプレミスのレガシーシステムまでセキュアな相互接続と一貫した管理・運用が求められています。

この度、10年振りにメジャーバージョンアップした「HULFT10」では、最新の技術を取り入れることで従来の「HULFT」と「HULFT」をつなぐだけから、あらゆるITシステムの境界線を越えてつなぐことをコンセプトに、「利用範囲拡大」「運用性向上」「セキュリティ強化」の3点に注力した機能強化を行いました。これにより、クラウドからオンプレミスのレガシーシステムとのデータ連携を実現し、管理・運用工数も削減します。

「HULFT10」の概要

「HULFT」は、企業活動において発生する売上データや顧客情報、ログデータなど、ITシステムに蓄積されたデータの送受信を行うファイル連携ミドルウェアとして、1993年に登場以降、全世界46ヵ国、1万1千社以上の企業で利用*1されています。「HULFT10」における機能強化点は次の通りです。

  1. 利用範囲拡大
    オンプレミスやレガシーシステム、IaaS まで幅広くカバーする動作環境

    メインフレーム/オフコン/Linux/Windows などのプラットフォームを継続サポート*2、またコンテナ環境の接続にはAmazon ECS やRed Hat OpenShift 対応*3 のコンテナプラットフォーム版を提供

    負荷の高いシステムのボトルネックを解消
    「HULFT」の設定やログ情報を従来の内部保持から外部DB 化に変更することで、利用状況に応じたシステムの負荷分散構成を構築可能

  2. 運用性向上
    ファイル転送性能の向上や圧縮速度・CPU 使用率を削減

    新圧縮方式である「Zstandard」を採用しデータ転送性能を従来比約1.4 倍高速化*4、またzOS では圧縮方式「zEDC」により転送速度が5 倍向上し、CPU 使用率も50%削減*5

    従量課金によるコスト最適化
    コンテナプラットフォーム版では実際に利用した時間で利用料を支払う従量課金制を採用

    統合管理ミドルウェアによるHULFT の管理・運用工数削減
    オンプレミスやクラウドに分散する複数の「HULFT」を、REST API やWeb 画面で統合管理する「HULFT10 API Gateway」を提供

  3. セキュリティ強化
    FIPS140-2 を取得したモジュールでデータを暗号化

    FIPS140-2 を取得した「HULFT10 Cipher Option (AES)」で転送データを暗号化し、安全にファイルを転送

    クレジットカード情報および取引情報を保護する高いセキュリティ性
    転送データを復元不可能な状態で削除する機能を実装し、システムのデータセキュリティ基準「PCI DSS v4」準拠を支援

    インターネットも混在したネットワーク環境をサポート
    オンプレミスやクラウド間をインターネット経由でセキュアにデータ中継する「HULFT10 SmartProxy」を提供

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HULFT10の製品ラインアップイメージ

なお、12月10日に発売する「HULFT10」の製品ラインアップは次の通りです。1ライセンスあたり13万8千円より(Windows-Clinet版の場合、税抜)提供します。

【本体製品】

製品名称 概要 提供開始日
HULFT10 for Windows さまざまなプラットフォーム間でデータの送受信を行う各OS対応のファイル連携ミドルウェア 2024年12月10日
HULFT10 for Linux
HULFT10 for AIX
HULFT10 for IBMi
HULFT10 for zOS
HULFT10 for Container Platform Red Hat OpenShiftのコンテナプラットフォームに対応したファイル連携ミドルウェア 2025年3月
提供開始予定
HULFT10 for Container Services Amazon ECSやAWS FargateなどAWSのコンテナサービスに対応したファイル連携ミドルウェア 2024年2月
提供開始済

【関連製品】

製品名称 概要 提供開始日
HULFT10 Smart Proxy セキュアなHULFT転送の中継機能に特化したインターネット対応プロキシ 2024年12月10日
HULFT10 API Gateway 複数のHULFTの管理情報や集配信履歴をWeb画面やREST API管理する統合管理ミドルウェア 2024年12月10日
HULFT10 Manager LAN内のHULFTを集中管理する統合管理ミドルウェア 2024年12月10日

【オプション製品】

製品名称 概要 提供開始日
HULFT10 Cloud Storage Option (Amazon S3) クラウド上のオブジェクトストレージに対し通常のファイル転送と同様のアップロード/ダウンロードが可能 2024年12月10日
HULFT10 Cloud Storage Option (Azure Blob Storage)
HULFT10 Cloud Storage Option (on Google Cloud Storage™ Service)
HULFT10 Cipher Option (AES) 転送データをAES方式で暗号化し、通常の暗号化方式より暗号化強度の高いファイル転送が可能 2024年12月10日

今後の展望

セゾンテクノロジーは、今後もオンプレミスやクラウドなど企業の情報システム内に混在するあらゆるデータを安全、確実に転送するファイル連携のさらなる進化と、生成AIに自社データを導入するRAG*6(Retrieval-Augmented Generation)の構築等に代表される、新しい技術とのデータ融合など、データ連携・データ活用を通してお客さまのビジネス変革を支援してまいります。

*1  2023年現在、セゾンテクノロジー調べ

*2  HP-UX、Solaris、zLinux、MSP/XSP、NonStop OSを除く

*3  Red Hat OpenShiftコンテナプラットフォーム対応版は2025年3月提供開始予定

*4  「HULFT8」との転送性能比較

*5  セゾンテクノロジー調べ

*6  RAG(Retrieval-Augmented Generation):検索拡張生成とも呼ばれ、大規模言語モデル(LLM)に新たに外部の情報を組み合わせ、生成AIの検索精度を向上させる技術


セゾンテクノロジーについて

「世界中のデータをつなぎ、誰もがデータを活用できる社会を作る」をミッションに、安全・安心の基盤となるデータ連携製品や IT サービス、金融や流通業をはじめとする多種多様な業種向けのシステム開発・運用をグローバルに展開しています。長年にわたり環境の変化に即応してきた強みを活かし、現在はクラウド型データ連携プラットフォーム(iPaaS)「HULFT Square」など先進事業の拡大に注力するほか、未来を切り拓くテクノロジーの実装に向けた取り組みを強化しています。

【商標関連】
  • 「HULFT」は、セゾンテクノロジーの登録商標または商標です。
  • その他の会社名、製品名、サービス名等は、各社の登録商標または商標です。