オラクル、JavaScriptの商標を自主的に手放すつもりはないとDenoに通告
JavaScriptランタイム「Deno」の開発元であるDeno Landが、オラクルが所有する「JavaScript」の商標登録の取り消しを米国特許商標庁に申請した件について、オラクルはJavaScriptの商標を自主的に手放すつもりはないとDeno Landに通告したことを、Deno Landが下記のX/Twitterへのポストで明らかにしました。
#FreeJavaScript update: Oracle has informed us they won’t voluntarily withdraw their trademark on "JavaScript". Next: they’ll file their Answer and we’ll start discovery to show how "JavaScript" is widely recognized as a generic term and not controlled by Oracle. pic.twitter.com/0UQEbpC73e
— Deno (@deno_land) January 7, 2025
現在、JavaScriptの商標はオラクルが所有
JavaScriptはNetscapeがWebブラウザ用に開発したプログラミング言語であることはよく知られていますが、その名称はサン・マイクロシステムズが登録商標として所有し、同社がオラクルに買収されたことで現在はオラクルが所有しています。
Node.jsの作者であり、現在はDenoの作者であるライアン・ダール氏は、これまでに2回、2022年9月と2024年9月にオラクルに対してJavaScriptの商標を手放してほしいと公開書簡で呼びかけていました。
その後、2024年11月にライアン・ダール氏が所属するDeno Landが、オラクルが所有する「JavaScript」商標登録の取り消しを、Denoが米国特許商標庁に申請したのです。
参考:オラクルが所有する「JavaScript」商標登録の取り消し、Denoが米国特許商標庁に申請したと発表
JavaScriptの商標取り消しの理由として、JavaScriptは汎用的な名称となったこと、オラクルが2019年に証票の更新を行った際に虚偽の申請があったこと、そして3年連続で使用されていないことが挙げられています。
オラクルが答弁書を提出予定
オラクルはこの申請に対して2025年1月4日までに回答しなければなりませんでしたが、昨年(2024年)末にオラクル側は期限を30日間延長するように要請し、Deno Land側が承諾。期限が2月3日までに延長されました。
この期限までにオラクルからは答弁書が提出される予定です。Deno Landはそれを受けて、「JavaScript」が一般用語として広く認識されており、オラクルによって管理されていないことを示すために証拠開示を開始するとしています。
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