再生可能エネルギーを使って生産するグリーン水素プロジェクトで撤退や遅延が相次いでいる。2030年までに生産を始める計画は世界で計560ギガ(ギガは10億)ワットにのぼるが、実現するのは約14%にとどまる見通し。資材高や人件費の上昇で水素価格が高止まりし、需要家は販売契約に二の足を踏む。各国政府が打ち出す支援策では力不足の懸念がくすぶる。
オーステッド、工場建設を中止
「持続可能な価格で販売契約が...
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英BP、製油所でグリーン水素製造 バイオ燃料も増産へ
英石油大手BPはスペイン東部バレンシアの製油所で再生可能エネルギー由来の電力を使う「グリーン水素」を生産すると発表した。2030年までに総額20億ユーロ(約2900億円)を投資し、最大2ギガ(ギガは10億)ワットの電気分解能力を持たせる。BPが主導する官民連携のプロジェクトで、既存の製油所を活用した脱炭素化に取り組む。 水素の生産能力は段階的に引き上げる。まずは27年に製造プラントの操業開始を目
エクイノールとRWE、水素専焼の火力発電 30年までに
ノルウェーのエクイノールとドイツのRWEのエネルギー大手2社は、ドイツで水素に対応するガス火力発電所を建設し、2030年までに水素専焼で発電する計画だと発表した。発電容量が合計3ギガ(ギガは10億)ワットの発電所を両社が共同保有する。まず天然ガスを燃料に使い、水素の生産体制が整ってから徐々に置き換える。 燃料となる水素の生産施設をノルウェーに建設する。天然ガスを原料に、製造時に生じる二酸化炭素(
低コスト水素、製造装置を量産へ 三菱重工出資のEH2
水素製造装置を手がける米エレクトリック・ハイドロジェン(EH2)は2023年10月、米マイクロソフトや英BPのベンチャーファンドから3億8000万ドル(約560億円)の調達に成功した。世界で新興投資が減るなか、企業価値は10億ドルに到達。日本経済新聞社が脱炭素分野の世界の有望企業約200社をリスト化した「GX Unicorn」の中でも好調が目立つ。 4年分の予約確保 EH2は調達した資金を活用し、