バイデン氏「東欧に近く派兵」 ウクライナ緊迫に対処
【ワシントン=中村亮】バイデン米大統領は28日、ワシントン郊外で記者団に対し「米軍を近いうちに東欧へ派遣する」と明言した。ロシアがウクライナに侵攻すれば近隣の東欧諸国にとってもロシアの脅威が高まると判断し、派兵を通じて米国が東欧防衛に関与する姿勢を明確に示す。
バイデン氏は記者団に「規模は多くはない」と語った。派遣の詳細を明らかにしなかったが、米CNNテレビによると米国が英国などの複数の有志国と共同でルーマニアやブルガリア、ハンガリーに1000人規模の軍を送る案が浮上している。
これとは別に北大西洋条約機構(NATO)が多国籍の即応部隊を東欧諸国へ派遣すると決めれば、米国は最大8500人を参加させる方針だ。即応部隊の派遣はNATOに加盟する全30カ国の同意が必要になり調整に時間がかかる。バイデン氏は小規模ながら米国として独自に部隊を迅速に派遣し、東欧に目配りする姿勢をアピールする。
米軍は、ロシアが軍事的圧力を強めるウクライナの防衛に直接関与しない。ウクライナは安全保障条約に基づく米国の同盟国ではないからだ。ウクライナに対しては武器や軍事訓練を提供して自衛力強化を引き続き支援していく。ロシアはウクライナ侵攻の可能性を否定している。
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