中国の輸出入、10月はともに減少 2年5カ月ぶり
【北京=川手伊織】中国税関総署が7日発表した2022年10月の貿易統計(ドル建て)によると、輸出は前年同月比0.3%減の2983億ドル(約44兆円)だった。輸入は2132億ドルで0.7%減った。ともに減少するのは20年5月以来、2年5カ月ぶりだ。金利上昇で世界経済が減速し、中国の内需も新型コロナウイルス対応の移動制限で弱まっている。
輸出から輸入を差し引いた貿易黒字は851億ドルだった。減少率では輸出が輸入より小さかったため、前年同月より0.9%拡大した。9月まで2ケタの伸びが続いたが、大幅に鈍化した。
輸出を品目別にみるとパソコンなどが17%減で、3カ月連続で前年同月を下回った。労働集約的な玩具や衣類はいずれも2割近く減った。
国・地域別にみると、米国向けは13%減少し、3カ月連続のマイナスとなった。米国の利上げに伴う景気減速の影響が出ている。欧州連合(EU)向けも1割減った。一方、東南アジア諸国連合(ASEAN)向けは2割増えた。
輸入を品目別にみると、最大の品目である集積回路が1%減り、6カ月連続の減少となった。化粧品も前年同月を6%下回った。原油は4割超増えた。
10月のロシアとの貿易は輸出が35%、輸入が36%それぞれ増えた。このうち、輸出は4カ月連続で増加した。
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