藤田医大と東京音大が提携、音楽療法を提供
藤田医科大学(愛知県豊明市)と東京音楽大学は4日、共同研究や地域貢献で提携すると発表した。音楽を聴くことで心が癒やされたり、リハビリによる体の機能回復が進んだりする音楽療法について研究する。健康セミナーとコンサートを組み合わせた地域住民向けのイベントも開く。音楽を取り入れ、より充実した医療の提供を目指す。
東京音大の講師や学生による演奏を患者に聴かせ、癒やしにつなげることなどを想定している。声帯など音楽に関係する分野の治療法についても知見を共有する。音楽療法はリハビリや精神科など幅広い分野で活用できるという。
提携は教授同士の親交があったことをきっかけに、藤田医大から持ちかけたという。同日、記者会見した藤田医大の湯沢由紀夫学長は「大きな力を持つ音楽や芸術と病院の中でも連携したい」と話した。
東京音大の野平一郎学長は「(両大学で)話せば話すほど医療と音楽はつながっていると感じた」と提携に期待を込めた。健康セミナーとコンサートを組み合わせたイベントは2023年内に4回ほど開く方針だ。
初回は4月中旬、東京で開き、藤田医大の教授が健康診断の結果の見方について講演した後、東京音大や付属高校の学生がバイオリンやチェロを演奏する。今後はロボット手術や再生医療など最先端の医療についてもイベントで紹介していく方針だ。両大学の教師による相互授業の実施も目指す。