中国の警官、パリで巡回へ 観光客の強盗被害防ぐ
中国公安省は今夏、フランス・パリに中国人警察官8~10人を派遣する。多額の現金を持ち歩く中国人観光客が強盗・すりに狙われやすいためで、フランス語を話す中国人警官が仏側の警官と合同で街をパトロールする。中国の警察が外国の街を巡回するのは初めて。
エッフェル塔やセーヌ川沿いなど主要な観光地を回り、強盗被害に遭った中国人から事情を聴き、仏警察との橋渡し役を務める。武器は持たず、フランスでは法の執行権はない。派遣期間や制服は決まっていない。
フランスは中国人に最も人気のある渡航先の一つだが、現金やパスポートが奪われる事件も相次いでいる。昨年、海外旅行に出かけた中国人は2000年の約10倍の9700万人。20年には2億人に倍増する見通しだ。(大連=森安健)