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次世代太陽電池の変換効率最高に 昭和シェル系

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昭和シェル石油子会社のソーラーフロンティア(東京・港)は10日、レアメタル希少金属)を使わない次世代型太陽電池「CZTS太陽電池」のエネルギー変換効率が12.6%となり、同型で世界最高になったと発表した。米IBMなどと共同研究チームを組んでおり、従来の世界記録は同チームが昨年8月に達成した11.1%だった。太陽電池の製造コストの低減につながるとみており、実用化を目指す。

CZTS太陽電池は原料に銅、亜鉛、スズ、硫黄、セレンを使用する。ソーラー社が生産する銅、インジウム、セレンを原料とした「CIS太陽電池」に似ているが、希少金属のインジウムを使わず、安価な材料で製造できる。世界で主流のシリコン太陽電池に比べ、製造時の電力使用が少ないという特徴がある。

ソーラー社は2010年にIBMとCZTS太陽電池の共同研究を始めた。IBMが持つ基礎技術に、太陽電池の光を吸収する層を2~3マイクロメートルの薄さで成形するソーラー社の技術を組み合わせて性能を引き上げた。

エネルギー変換効率は太陽光エネルギーを電力に変える割合を示し、値が大きいほど発電量が多くなる。今回の12.6%となったCZTS太陽電池は、大きさが0.4平方センチメートルの試作品で、実用化には大型にして量産する必要がある。

ソーラー社はCIS太陽電池では量産段階で14.6%の変換効率を達成している。最も普及しているシリコン太陽電池ではシャープや京セラが15~20%の製品を販売している。今回のソーラー社のCZTS型の太陽電池はシリコン型よりさらに安価になる可能性がある。

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