アマゾン 書店向けに出版物を卸販売
アマゾンジャパン(東京・目黒)は書店向けに書籍などの出版物を卸販売するサービスを本格的に始める。法人向け電子商取引(EC)サイト「アマゾンビジネス」を通じて、書店に届ける仕組み。人手不足などに伴い、取次会社を通じた出版物流では本が希望通りに届かないケースも出ている。アマゾンが出版物を書店に送ることで地方の書店などが出版物を仕入れやすくなるという。
アマゾンは人手不足などを受けて、既存の取次などの物流網では「全国にほしい本を確実に届けることが難しくなっている状況だ」と指摘。アマゾンビジネスを通じた出版物の書店向け販売を本格展開する。
販売価格は卸値ではなく、一般のECサイトとほぼ同額で書店にとっては仕入れ価格が高くなるが、アマゾンの物流網を使うことで「和書や洋書など豊富な品ぞろえの出版物を迅速に配送できる」という。取次からの仕入れが遅れる場合などの補完サービスとして利用を見込む。
同社は昨年春に売れ残っても出版社に返品しない「買い切り」と呼ばれる手法を導入すると表明した。同社は1年が経過した導入状況について、「試験導入は始まっているが、参加企業数など具体的な状況を話すことは難しい」と述べるにとどめた。