筋ジストロフィーの治療薬候補発見 国立精神・神経医療研究センター
■国立精神・神経医療研究センター 筋力が次第に衰える難病「デュシェンヌ型筋ジストロフィー」の治療薬候補を見つけた。患者の血液中にある特定のマイクロRNA(リボ核酸)の量を減らす物質で、病気のモデルマウスに投与すると筋肉の損傷が軽減された。物質の安全性などを確認し、実用化を目指す。
デュシェンヌ型は筋肉の形成に不可欠なたんぱく質を作る遺伝子の異常で起きる。新生男児の3500人に1人が発症し、今のところ根本治療法はない。研究チームはこの病気の患者の血液に含まれる「エクソソーム」と呼ぶ脂質の膜を採取。膜に含まれる3種類のマイクロRNAの濃度を調べると、いずれも健常者より高くなっていた。
エクソソームは細胞内から血液中に放出される。実験でモデルマウスにエクソソームの合成を妨げる物質を投与した。マイクロRNAの量が減り、筋肉損傷の指標となる酵素の働きも落ちた。