基本給0.3%増 昨年度、10年ぶりプラス
実質は減る
厚生労働省が20日に発表した2015年度の毎月勤労統計調査(確報)では、基本給にあたる所定内給与が10年ぶりにプラスに転じた。ただ伸び幅は前年度と比べて0.3%にとどまり、引き続き賃金上昇の勢いは鈍い。物価変動の影響を除いた実質賃金も、消費増税の影響は一巡したもののマイナス圏から脱していない。消費の押し上げにつなげるには力不足だ。
所定内給与は正社員などの一般労働者が前年度比0.6%増、パートタイム労働者が同0.5%増と、それぞれ2年続けて増えた。合計の給与の伸びが0.3%にとどまった理由は、パートタイム労働者の比率が高まっているためだ。労働者に占める比率は14年度に30.0%だったが15年度に30.54%に上昇した。
実質賃金も雇用形態別に見れば、一般労働者が4年ぶり、パートタイム労働者が3年ぶりに増加に転じた。非正規社員の比率が高まったことで、1人当たりの平均の実質賃金は0.1%減った。