たった5人で臨んだ男子の和歌山南陵は健闘も及ばなかった。第4クオーター残り約7分40秒で52-54と好勝負を演じたが、その1分後に紺野が5つ目のファウルで退場。交代要員がいないため4人での戦いを強いられると、一気に引き離された。和中監督は「勝つつもりでいた」と無念さをにじませた。

学校が経営難に陥り、今の3年生が入部した時に46人いた部員は多くが転校。生徒の募集も停止となった。寮のガスや電気が止まるなど厳しい状況に陥ったが、残ったメンバーはめげずに練習を続けてきた。

掲げたのは「走らないバスケット」。味方のフリースロー時はリバウンドを狙う選手を配置せず、自陣で守備を固めるなど体力温存の戦法を徹底した。最後は力尽きたが、二宮主将は「この舞台に来て最後まで戦ったのは自分の財産」と、すがすがしい表情だった。

◆テレビ放送 男子決勝は29日正午からテレビ朝日系で、女子決勝は28日午前11時からBS朝日でともに生放送。