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- 2024年11月12日
マイナ保険証移行「資格情報のお知らせ」とは?「資格確認書」は別物です
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これまでの健康保険証は、12月2日をもって新規発行が停止され、「マイナ保険証」に移行されます。移行にさきだって「資格情報のお知らせ」という書類が、9月以降、届けられています。しかし、この書類をめぐり、SNS上では、マイナ保険証を使用しない人に今後交付される「資格確認書」と勘違いしたという投稿が相次いでいます。「資格情報のお知らせ」という書類はどう利用するものなのかや、2つの書類の違いなどについてまとめました。
マイナ保険証とは

マイナンバーカードを健康保険証としての利用登録をすれば、これまでの健康保険証の代わりになります。政府は、今の健康保険証の新規発行を廃止して、この「マイナ保険証」を基本とする仕組みへの移行を進めています。
ただ、1年間はこれまでの保険証を使うことができます。ただし、「国民健康保険」や「後期高齢者医療制度」の保険証には、それぞれ有効期限があります。保険証に記された有効期限を確認してください。
保険組合から届いている書類は?

「マイナ保険証」への移行に先立ち、健康保険組合などを通じて「資格情報のお知らせ」という書類がことし9月以降、各家庭に届けられています。各保険組合から、会社の健康保険などの「被用者保険」に加入するすべての被保険者と扶養する家族に、交付されています。
マイナ保険証を持っているかどうかに関わらず全員に交付されています。
「資格情報のお知らせ」はなぜ交付?

「資格情報」は、マイナ保険証を持っている人が、自分が入る健康保険組合や、自分の保険者番号などを確認するためのものです。
「マイナ保険証」には、これまでの保険証のように、券面に保険者番号などが記されていないため簡単に情報を確認できるように、「資格情報のお知らせ」が交付されることになりました。
厚生労働省は、「資格情報のお知らせ」に記載されているマイナンバーの下4桁を確認し自分のマイナンバーが正しく登録されているか、改めて確認してほしいとしています。
「資格情報のお知らせ」どんな場面で?

国は、マイナ保険証とともに持ち歩くと、▽システムのエラーなどで利用できない場合や、▽マイナ保険証に対応していない医療機関を受診する場合など不測の事態に対応できるとしています。
なお、「資格情報のお知らせ」だけでは保険診療は受けられません。マイナ保険証と一緒に提示する必要があります。
「資格情報のお知らせ」と「資格確認書」は全くの別物

「資格確認書」は▽マイナンバーカードを持っていない人や▽マイナ保険証の利用登録をしていない人などに、健康保険組合や国民健康保険組合などの保険者から、ことし12月2日以降、順次、自動的に交付されます。「資格確認書」は、これまでの保険証とおなじように使うことができます。
ただXには「『資格情報のお知らせ』が届いたけど、『資格確認書』とは別物みたいですね一瞬混乱した」というような声も見られました。この2つは別物なのでご注意ください。
国などのコールセンターにも問合せが相次いでいて、厚生労働省の担当者は、「『わかりにくい』といった声は把握していて、浸透は十分ではないと認識している。今後も周知に力を入れていく」としています。
デジタル行政などに詳しい専門家は

中央大学 宮下紘教授
「医療のデジタル化では、高齢者などデジタルに弱い立場に寄り添い推進していくことが大切で、法律改正をしてしまったが、既存の保険証とマイナ保険証の併用期間を長くすることが、混乱がなく一番望ましかった。政府には、この1年間の動向を見極めながら、わかりやすく、安定的に、デジタル化を推進していく方向を見つけていってほしい」