浅草でいただく老舗のワンコイン醤油ラーメンと個性的な丼。
ここ最近東京の老舗ラーメン店をバリバリ紹介しておりますが、それならここもということで、日本を代表する観光地・浅草で創業半世紀以上の老舗「味の工房 菜苑 本店」で人気のワンコイン醤油ラーメンや純レバ丼だとかをご紹介。
浅草駅から徒歩5~10分ほど。千束通り沿いの老舗「味の工房 菜苑 本店」
徒歩5~10分と開きがあるのは、つくばエクスプレス浅草駅だと徒歩5分、地下鉄浅草駅だと10分くらいかかるって意味です。
タンメンやとんかつはまだしも、カニタンメンに純レバ、さらには「いらっしゃいませ」の白暖簾となかなか味わい深い外観。
当たり前のように繁盛していて満席になることもしばしばなんですが、浅草の中でも観光客がビッシリ行き交っているエリアから少々離れた場所(通称:浅草観音裏)に位置しているため、ご当地グルメ色が濃厚。いかにもな名物料理に飽きてしまった方々にもきっと満足いただけるんじゃないでしょうか。
看板に本店、横っちょにさり気なく長男。
地元民には昔っからおなじみの飲食店ではありますが、多くの皆さんが「菜苑」という店名を目にしたのはここ最近だと「ドラマ版孤独のグルメ Season5第10話『東京都江東区亀戸の純レバ丼』」に登場した「亀戸菜苑」じゃないかと思うんですが、ルーツはここの本店というワケですね。
セルフサービスのおしぼりは入店時に入手するのを忘れずに。
ということで、ちょっとしたコツなんですが、まず入口入ったら空席に座る前に、店内右手のタオルウォーマーからおしぼり、それからそばに置かれているグラスも取ります。人目なんて気にせずに、取ります。それから席に座って、カウンターに置かれているポットからお茶を注ぐと。
瓶ビールもセルフサービスなので、飲みたい方はおしぼり&グラスを手に取るタイミングで「ビール1本」とかって宣言しつつゲットするって寸法です。
席数は、赤のL字型カウンター15席。
当たり前のように灰皿。自家製激辛ラー油をはじめ、胡椒、醤油、酢といった安心の卓上調味料。
淡々と料理を作ったり仕込みを続ける従業員。
おしぼりもお冷も当たり前のように店員が持って来てくれることに慣れてしまっていると違和感覚えまくりですが、これがここでのルール。ルールに従わないとお茶もおしぼりもない状態での食事となりますのでご注意を。
定番から変わり種まで、種類豊富な浅草「味の工房 菜苑 本店」のメニュー一覧
卓上メニュー表面。麺類・炒め物・ご飯類など。
「dancyu」掲載が1997年と20年前なのが時代を物語っていますし、「キンキン」やら「あれ」やら「たまごっち」といった謎メニューが紛れ込んでいるのもじわじわ来ますね。
裏面は昼のおすすめやら冬の人気メニュー。
表面と似たようなツッコミポイントとなりますが、冬の人気No.1と称しているのに「カニ湯麺」「生かき湯麺」「あさり湯麺」「パロパロ」と4つ並んでいたり、「パロパロ」が絶品って言われても何か分からない点も実に香ばしいですね。
年季入りまくりな壁メニューと見ていて飽きません。
初めて足を運ばれるなら定番メニューを頼んでおけば問題ないと思うんですが、気になる方向けに一部メニューを解説しておきますと……
謎メニューについて
- キンキン:DXワンタンメン。故・愛川欽也氏がかつて某番組内でキンキンと命名したことがその由来
- あれ:とろみがかった味付けの鶏唐揚げ
- たまごっち:卵あんかけチャーハン。命名の由来は、まあアレでしょう
- パロパロ:蒸し鶏・トマト・クラゲを使った料理
所感
果たして解説になっているのか怪しいところではありますが、「DX」やら「あれ」といったメニューを目にして、1年以上前から己【おれ】を読まれている方、あるいは「とんねるずのきたな美味い店」を知っている方にはおなじみ、同じ浅草・すし屋通り沿いにある老舗「あづま」と何かと重複していることに気づくでしょう。そして答えを言っちゃうと、弟さんが「あづま」を経営しているから似ているのです。
ということで、DXラーメンについてはこちらをご覧ください。
おいしい本炊きラーメンがいつでも嬉しい500円!浅草「味の工房 菜苑 本店」の醤油ラーメン
中華そばではなく中華なラーメン。
具はシンプルに、チャーシュー、メンマ、刻みネギ。
中華そばと中華なラーメンの決定的な違いは、出汁に和食材を使用するか否か。
この手の中華なラーメンは、カツオやら昆布やら煮干しなんかの和食材を使わない分、ダイレクトに動物系の旨味がズオオオオーって押し寄せて来るんですよね。
アツアツ中華スープをしかと受け止め、
存分に旨味をまとった中太縮れ麺を、
勢い良くズヴィヴィヴィヴィン!
あらかじめパラリと胡椒がかかっているのか、ほんのりスパイシーチックでぶ厚い醤油スープにチュルンとした舌触りの麺。もう深いこと考えずにただただ啜っていたいって衝動にかられる1杯。
個性的すぎるラーメン店としても名高い四谷三丁目「一条流がんこラーメン総本家」の家元・一条安雪氏もかつて公式ブログにて「本物の味覚に目覚めたかったら食べ続けること」としてここのラーメンを推薦しておりまして、気になる方は足を運んでみると良いかも。
お供にピッタリの餃子は、ランチタイムだとセットで800円。
皮と餡がしっかりしているから、たっぷり酢胡椒の孤独のグルメ的食べ方もバッチリハマります。
800円のワンタンメンは、肉厚ワンタン3つ乗せの代わりにチャーシューがおあずけとなります。
チャーシューもワンタンもどっちも食べたいぞって場合はDXワンタンメンこと「キンキン」を注文すると良いでしょう。
それかご覧のように餃子を頼んで「ワンタンと餃子で餡がだぶってしまった」的な、ある種孤独のグルメ風テイスティングも悪くないかもしれません。
刻みネギとレバーがてんこ盛り!浅草「味の工房 菜苑 本店」の純レバ丼
刻みネギ以外は純粋にレバーのみって意味で純レバ丼。
甘辛い味付けにネギと中華スープは抜群の相性。
通常1,100円。平日ランチタイムは800円と300円引きなので積極的に利用したいところではあります。
混ぜずにそのままいただいても良し。
どりゃりゃんと絡めていただくも良し。
油通し後のレバーを使用しているから臭みなくたっぷりのレバーを摂取。丼ではなく純レバ炒めをつまみに酒を飲む常連さんもいるくらいに「菜苑」の純レバは大人気商品となっておりますが、普段レバー苦手って方でもここの純レバ丼ならライスと一緒くたにすることもできますし、それほど抵抗なく食べられるんじゃないかと思います。
こんな風に完食!(汚いのでモザイク処理済み)
ちょろっと歩けば、路地から臨む東京スカイツリー。
雷門に仲見世通りに浅草寺、それと人力車etc.……お決まりルートを散策するのも楽しい浅草ですが、観音裏と称されるこの手のエリアをのんびり歩いてみるのもまた乙なもの。
いわゆる現代風のシャープさや洗練さは皆無なんですが、こういうお店が在り続けてきたからこそ今の飲食店がある。そういったことを考えると、やっぱり老舗も大事にして行きたいと思うのでした。