ジャーナリストの有田芳生氏と、旧統一教会を擁護する発言を繰り返す爆笑問題・太田光が2日放送の「サンデー・ジャポン」(TBS系)で直接対決。同番組で、太田が繰り出す屁理屈の「元ネタ」が明らかになった。番組内では詳しく触れられなかったが、太田はよりにもよって統一教会の“御用ジャーナリスト”を情報源にしていたのだ。
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太田光が統一教会擁護の元ネタを「自白」
カルト宗教問題に詳しいジャーナリストの有田芳生氏は2日のサンジャポで、旧統一教会の信者を家族が保護し脱会するよう説得するのは「拉致・監禁」だとする太田の発言を疑問視。
太田のように世間への影響力が大きいタレントが番組で統一教会の主張を代弁し、世論をミスリードすることの危険性を訴えた。
有田氏によれば、ある日突然、子どもや妻、夫がカルト宗教に洗脳・マインドコントロールされ家族が引き離される悲劇は過去数十年にわたって続いている。
被害家族や支援者による脱会説得を「拉致監禁問題」と称するのが、統一教会側の詭弁にすぎないことは誰が見ても明らかだ。若者ならいざ知らず、一定以上の年齢の人間、しかも人気番組のMCという責任ある立場なら知っていて当然の常識と言える。
これに対し太田は、「自分は統一教会側の人間ではない」が「言葉選びを間違っていた」と釈明。一方で、過去には「行き過ぎた脱洗脳」もあったとして、現在のマスコミの統一教会関連報道はバランスを欠いていると反論した。
最近の太田の「言葉選び」が、統一教会の主張に“準拠”しすぎているのは周知のとおりだが、あたかも原理研の弁士と見まがうあの屁理屈の数々は、いったいどこから仕入れてきたものなのか?
その「元ネタ」のヒントとなるのが、同番組での太田の「統一教会問題は専門家の間でも意見が分かれている」「米本さんと有田さんが反目し合っている」という発言だ。
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統一教会御用ライター「米本さん」こと米本和広氏
有田芳生氏とは真逆の意見を持つ「統一教会問題の専門家」として、太田が持ち上げた「米本さん」こと米本和広氏。
米本氏はカルト宗教問題を扱うジャーナリストだが、ある時点から統一教会側に取り込まれ、今では「統一教会の御用ライター」に成り下がったと目されているいわくつきの人物だ。
番組内での有田氏は、米本氏が統一教会から一定の便宜を受けていることを示唆したが多くは語らず、鈴木エイト氏も「偏りがある」とやんわり指摘するに留まった。
これは、その場にいない米本氏にアンフェアにならないよう、最大限に配慮してのことだろう。
米本氏の著書『我らの不快な隣人 ― 統一教会から「救出」されたある女性信者の悲劇』(情報センター出版局)では、信者を脱洗脳するために弁護士らが信者を「拉致・監禁」する様子が描かれている。
まるで統一教会側の誤った主張そのものだが、これに限らず米本氏の近年の主張と太田の問題発言が多くの点で符合していることは、もっと広く知られるべきではないか。
太田の不自然極まりない統一教会擁護。その「元ネタ」の多くは統一教会の代弁者たる米本氏と考えられるのだ。
【10/5 13:00追記】有田氏は、米本氏の著作が統一教会の“推薦本”だった事実をツイッターで下記のように指摘している。
じつは太田光さんの発言で「そうか」と理解できたのですが、当事者不在なので発言を遠慮しました。太田さんが読んで影響を受けた米本和広さんの著作は、教団本部前にある「愛美書店」で売られていた、信者への推薦本だったのです。信者の前で講演したこともある米本さんです。
<以上、追記終わり>
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太田が目を背ける「米本氏の異常性」
米本氏は旧統一教会を「批判するふり」をする一方で、同教団の問題点を指摘する弁護士やジャーナリストへの誹謗中傷を繰り返していることで知られる。
米本氏は自身のブログで、霊感商法の被害者救済に長年取り組んでいる弁護士の紀藤正樹氏を「金儲けのために統一教会問題に取り組んでいたことが発覚」などと中傷。
有田氏に対しても「尻軽男とは彼のこと。見境がない。小生が知っているだけで今現在、3人。統一教会は尾行しているぞ。娘が泣いてるぞ」などと恫喝している。
もちろん米本氏にも、紀藤氏や有田氏の主張に反論する権利はある。だが、「統一教会は尾行しているぞ」とは一体どういう了見だろうか。いくら気軽なブログであっても、まともなジャーナリストが用いる言葉ではない。
米本氏のやり方は、有田氏を「サタン」認定し、数々の怪文書を配布してきた統一教会そのものであり、明らかに異常だ。
太田光と米本和広氏の発言がピタリ一致
また米本氏はブログで、
「白か黒か」ではっきり分かれるものなんて、世の中にない。黒の中にも白があるし、白の中にも黒がある。そういう単純なことを、メディアは理解しません。だから統一教会バッシング一色になっているでしょう
と主張している。
これは太田のサンジャポでの「テレビは白か黒かにしたがる」「統一教会問題は白か黒かでは語れない」といった発言と恐ろしいほどに一致する。
部分的に見れば、善悪二元論に危険性が潜んでいるのは事実だ。この世界は白か黒か、善か悪かで推し量れるほど単純なものではないだろう。
だが米本氏も、それに心酔する太田も、統一教会の教義こそ危険な二元論の典型であるという根本の問題から目を逸らしているようでは片手落ちだ。少しの事実にウソを混ぜるのは典型的な詭弁であり、番組MCとしてフェアな主張とは到底言えない。
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統一教会に「利用」される太田の憐れ
2ちゃんねる創設者のひろゆき氏は太田に、「ひるおびやミヤネ屋は統一教会に訴えられた。じゃあなぜサンジャポは訴えられてないの?太田さんが今のやり方を続けてくれるなら統一教会にとってはすごくラッキーってことなんじゃないかな」と指摘した。
どうやら、このひろゆき氏の見方は当たっていたようだ。
有田氏が得た情報によれば、山上容疑者の実母が所属した奈良家庭教会では、太田が統一教会シンパとして紹介されているという。
▼「サンデージャポン」で太田光さんの発言を聞いて、何冊もの関連本を読まれていることは、わかった。しかし、関係者からこんなメールが来た。〈昨日のサンジャポ、お疲れ様でした。山上○○さん(原文は本名)が通う奈良の教会はLINEで信者に「信頼できる人」として太田光さんを紹介しています。〉
— 有田芳生 (@aritayoshifu) October 3, 2022
【10/9 6:30追記】有田氏によると、奈良家庭教会の信者にはテレビは見るなという指示が出ている。そのように情報を遮断した状態で、太田らの統一教会“擁護”発言がLINEで送られてくる仕組みだという。
▼山上徹也容疑者の母親が所属していた奈良家庭教会。信者にはLINEで、テレビは見るなとする指示とともに、ここに写っている長尾たかし元衆院議員、太田光さん、小川榮太郎さんの発言が送られてくる。 https://t.co/NhD1U2xxOu
— 有田芳生 (@aritayoshifu) October 7, 2022
<以上、追記終わり>
太田に限らず、多くの“御用ジャーナリスト”や“御用芸人”が、このように統一教会の布教や勧誘に「利用」されているのは想像に難くない。
米本氏の本をまるでコピペしたかのような発言を繰り返す一方で、骨太な取材で知られる『報道特集』(TBS系)は見ていないと語っていた太田。
報道の中立性を偉そうに語る一方でこの体たらくでは、MC失格の烙印を押されても文句は言えないだろう。
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