今回は、最近上場が発表された音楽ストリーミングサービスを配信する「Tencent Music」を紹介します。Spotifyとはまた、まったく違う進化を見せているのが特徴的です。(『決算が読めるようになるノート』シバタナオキ)
※本記事は有料メルマガ『決算が読めるようになるノート』2019年1月10日号の抜粋です。ご興味をお持ちの方はぜひこの機会にバックナンバー含め今月分すべて無料のお試し購読をどうぞ。
AppGrooves / SearchMan共同創業者。東京大学大学院工学系研究科技術経営戦略学専攻 博士課程修了(工学博士)。元・楽天株式会社執行役員(当時最年少)、元・東京大学工学系研究科助教、元・スタンフォード大学客員研究員。
月間アクティブユーザ8億人を超えるTencent Musicの特徴とは
QQミュージックをはじめとした、中国の音楽アプリを配信
Tencentグループが提供しているミュージックサービスだけあって、規模感が凄まじいものになっています。
1中国元 = 16円で併記します。
※参考:FORM F-1 Tencent Music Entertainment Group
音楽アプリの上位4つを全て独占しており、月間アクティブユーザー数は8億人を超え、アクティブユーザー当たりの1日の利用時間が70分を超えるという具合に、凄まじいエンゲージメントを見せています。
音楽レーベルとの契約者数は200社を超え、2018年度の上半期だけで売上がRMB8,616M(約1,379億円)となっています。売上の前年同期比の伸び率は92.2%と、約倍増しています。
提供している主なアプリは、この図にある通りQQミュージックをはじめとした、中国のトップ音楽アプリです。これらを軒並み独占しているのが、Tencent Musicグループです。
株主リスト: あの会社が株主?
少し意外だったので、株主リストも見てみたいと思います。
Tencentが58.1%を保有しているだけではなく、Spotifyも9.1%を保有しているというのがとても意外でした。
さらにTencent Musicグループが、Spotifyの株式約2.5%を保有しており、株式の持ち合い構造になっていることが分かります。
恐らく音楽レーベルとのやり取りなどで、協業できる部分が大きいのではないでしょうか。
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