仕事が忙しすぎて、生活すべてが不規則なることはありませんか? 今回はそんな時の時間管理と体調管理のコツをお伝えします。
筆者は昔、映像業界で働いていました。ショートフィルム制作のため、あらゆる作業に携わりました。16時間ぶっ通しで仕事をすることもあれば、夜中に3時間だけ撮影したりすることもあり、「定時勤務」とはほど遠い働き方でした。しかし、忙しすぎる日々だからこそ、仕事に振り回されない技を磨く必要があります。
切り替えか集中か状況判断をする

私たちは自分で思っているほどマルチタスクが得意ではありません。脳は人体を機能させるため、肺、心臓、目を同時に動かしてくれます。しかし、仕事に関しては、作業から作業へ切り替えているに過ぎません。
場合によっては素早く違う仕事に移ることが必要になってきます。交通整理で、複数の車線を一気に確認していくようなものです。そして業務内容によっては、一点集中が求められます。未読のメールが気になったとしても、その3秒が命取りになることがあるのです。今は仕事を切り替える時なのか、集中する時なのか状況判断ができるようになりましょう。
以下がそのためのガイドになります。
- 「切り替え」か「集中」を選ぶ。至急の案件続きで大きなプレッシャーにさらされていると、すべて急ぎの仕事に思えてきます。しかし、実際はそうではありません。15分以内に終わらせないといけない仕事が3つあれば、機械的に切り替えて作業をこなしていくか、1つのことにしっかり集中してから次の仕事に取り掛かるか、適切な方を選びましょう。
- 待ち時間をうまく利用する。洗濯を始めれば、終わるまでの1時間の間に他の仕事ができます。動画が表示される間に、メールが読めます。ある作業の待ち時間を予め計算して、予定に組み込んでいきましょう。
- 同じ場所でする作業はまとめて終わらせる。1つのエリアで行える作業は一緒に終わらせてしまいましょう。外出先、部屋、PC周りなど、その場所でできる作業は他にないか考えてみましょう。
ここで大事なことは、自分の状況にあったやり方を見極めることです。状況に合わせ、柔軟に対応してください。慣れていないやり方でも良いのです。最小限の時間で最大の効果をあげていきましょう。
予定の軸を決める

日によって予定は変わるとしても、管理できないということはありません。確実でなくとも、自分の中心になる仕事を知ることはできます。週の中で必ずすることや期限のある業務を見つけます。それを軸として、他の予定を設定していきます。
軸になる仕事を見極めれば、変動可能な仕事内容を落とし込んでいくだけです。そう考えることで、比較的落ち着いた日々が過ごせます。週休2日なら、洗濯をする日に、一緒に家事を済ませましょう。次の休日に買い物に行くなら、翌週の食事の下準備もしてしまいましょう。
仮眠の効果を活用する

忙しすぎると睡眠時間が不規則になり、生産性が下がります。せっかくの頑張りが空回りに終わってしまうこともあります。しかし、8時間の睡眠時間がとれなくとも、仮眠を取ることで最悪なシナリオを予防できます。以下を意識してみてください。
- 適切な仮眠時間をみつける。仮眠により、集中力、創造力、モチベーション、エネルギーが促進されます。10~20分の短い仮眠は頭をすっきりさせ、エネルギーを与えてくれます。
- 自分に合った仮眠の時間帯を見つける。睡眠不足でも、人に備わっている概日リズムに脳は影響を受けています。そのため、仮眠に最適な時間帯が存在します。これには、その日のスケジュールと起床時間が関わってきますが、ツールを使えば効果がある時間を調べることができます。
- 仮眠前にカフェインを摂取する。睡眠不足をカフェインで補うのは健康的ではありませんが、仮眠前に少量のカフェインを摂ると、起床時のエネルギーと集中力が上がります。
しっかり食事して、水を飲む

私たちが忙しい時、睡眠の次に省きやすいのは食事です。ファーストフードは便利ですが、健康的とは言えません。自炊できなくても、計画を持つことで、健全な食生活は送れます。
可能な限り一度に多くの食事を作るのがオススメです。安く早く40食分以上作ったり、便利なソースを用意することもできます。
慌ただしいスケジュールを乗り切るには、エネルギーも管理する必要があります。早朝にプロテインを飲む、寝落ちしないために血糖値に注意する、野菜や穀物やナッツなどを食べる、といった食に気を配りましょう。そして何よりも、水分補給をしっかり行うことが重要です。
休憩をとり、断る方法を知る

慌ただしい中でも、時間は作れるものです。無計画で多くの仕事を請け負ってしまえば、効率は悪くなるばかりです。だからこそ、休憩することと、断ることを覚えましょう。
予定が見えない状況では、自由になる時間の見通しも立ちにくく、気づくと過密スケジュールを抱えているなんてことも起こります。そうならないためにも、日頃から仕事を断ることができる人間関係を築いておきましょう。また、うまく断ることができるようになれば、ストレスを溜め過ぎず、仕事量をコントロールし、重要な仕事を見極めることができるようになります。
休暇をとることも忘れないでください。健康のためだけでなく、自分の生産性を上げることにつながります。「燃え尽き症候群」という言葉がありますが、これは本当に仕事への意欲や流れを壊してしまいます。軸になる仕事を確認したなら、リラックスし自分を取り戻す時間を確保しましょう。ストレスから解放された脳は、高い生産性をもたらしてくれます。
Eric Ravenscraft(原文/訳:瀬呉保)
Photos by David Goehring, Yandle, Bryon Lippincott, David Woo, and Terry Madeley.