Appleが作り上げたのは、「サイクルに一度入るとなかなか出られない」というシステムです。Macを購入する人はMacのハードウェアだけを目的として買うのではなく、Appleのエコシステム全体に対してお金を払っていることが多いです。Appleとしても、1つの製品をきっかけにAppleが消費者のライフスタイル全体に取り入れられるのを基本的な戦略にしています。
中にはWindows PCとして使うためにMacを購入する人もいます。AppleのハードウェアはPCのハードウェアと比較して優れている点も多く、価格帯は高めですが、その価値は十分にあると考える人も多いです。では、どのように線引きして、どんな時にAppleハードウェアを購入するべきなのでしょうか。
1.ノートパソコンでデュアルブートをしたいなら
2.カスタマーサポートを重視したいなら
3.Appleハードウェアが好きで、しかも価格も納得できるというなら
4.Bluetoothに対応している周辺機器をよく使うなら
5.オプティカルドライブ(光学ドライブ)を必要としていない
逆にMacを買うべきではない場合
1.ノートパソコンでデュアルブートをしたいなら
Windows PCにOS Xを入れたハッキントッシュでのデュアルブート、あるいはトリプルブートも可能ですが、ノートパソコンの場合、OS Xを入れるのはなかなか面倒くさい作業です。OS XとWindowsの両方を使いたい、どちらかいずれに偏るのはいやだ、という方であればMacのノートパソコンを購入しWindowsのデュアルブートを可能にすることで使いやすい環境を作りだすことができ、両OSのオフィシャルドライバを入手できます。
これはデスクトップでも同様です。より低価格ながらもパワフルでカスタマイズ可能なハッキントッシュパソコンを自作することも考えられますが(参考・英文記事)、その手間を省きたい、オフィシャルサポートが欲しい、という方は、ハードウェアやソフトウェアの問題が発生した場合、自分で対応しなくてはならない、というリスクを考えるとiMacを購入し、Boot Campを使ってWindowsを起動するのが安心です。(参考・Macの『Boot camp』でWindows7をインストールしよう!)
2.カスタマーサポートを重視したいなら
Genius Barのサポートがいかに充実していても、実際に足を運ぶのは手間も時間もかかります。通常であればカスタマーサポートは避けて通りたいものですが、Appleのカスタマーサポートは他のパソコンメーカーよりも充実しています。全てのMacデバイスには1年間の保証が付き、オプションで3年間に延長することも可能です。問題が些細なことでもばっちり保証してくれた、というケースも耳にします(と言っても、4年前に購入したMacを新品と交換してくれるわけでは決してありません)。
3.Appleハードウェアが好きで、しかも価格も納得できるというなら
これは明確なポイントではないでしょうか。Appleのハードウェアが好き、だけどWindowsを起動させたいのであればAppleのパソコンを購入し、Windowsを入れれば良いだけです。AppleのMacBook Airの価格は他社のウルトラブックと比較しても、決して飛び抜けて高いわけではありません。
標準PCの競合品よりもAppleの方が好きだ、という人もとても多いです。価格帯が同じくらいなのであれば、失うものは何もないと考えても良いのではないでしょうか。Appleのオフィシャルストアからリファービッシュされたパソコン(「メーカー再生品」とも呼ばれる)を安価で購入することもできます。またはアマゾンなどでディスカウントされた新品を購入するというオプションもあります。
4.Bluetoothに対応している周辺機器をよく使うなら
もちろんMacにもポートは付いていますが、あまり数は多くありません。USBポートが2つとそれ意外のものがいくつか、という程度です。外付けのハードドライブやオーディオインターフェース、その他の周辺機器はあまり使わない、というのであれば何の問題もありません。Macデバイスは多くの周辺機器を接続するようには設計されていません。使うのであればBluetooth対応の周辺機器を使うようにするのがおすすめです。
5.オプティカルドライブ(光学ドライブ)を必要としていないなら
現行のMacBook Pro(Retinaディスプレイでないもの)はオプティカルドライブ(DVDドライブなどの光学ドライブ)に対応していますが、それ以外のMacBookは対応していません。オプティカルドライブが必要な場合、Macの購入はオススメできません。外付けを常に持ち歩くようになるのであれば、最初から内蔵されたMac以外のパソコンの方が理にかなっているはずです。
逆にMacを買うべきではない場合
デスクトップのMacとなると話は別で、対コストで考えた場合、あまりコスト効率はよくありません。iMacやMac Proでデザイン作業をどうしてもやりたい、という場合は仕方ないですが、同じハードウェアに対するコストとしては高くなってしまいます(ノートパソコンに限って言うとMacBook Pro(Retineディスプレイではないモデル)は、Windowsのノートパソコンよりも若干高いくらいの価格帯となっています)。またマイクロソフトはタッチスクリーンを強烈にプッシュしてきているので、Macを購入してWindows 8を走らせるとなると使えない機能が出て来る可能性があります。
ポートがたくさん必要であらゆるものとの互換性が不可欠という方であればMacはオススメできません。ノートパソコンのバッテリーを交換することも簡単にはできません。ハードウェアのアップグレードもほとんどできません。購入時にアップグレードすることは可能ですが、個々のパーツを購入するよりも高くなってしまいます。ハードウェアのカスタマイズを念頭に置いている方であれば、Macは選択肢から外した方が良いでしょう。
Appleハードウェアは複数のOSが使えるパソコンが欲しい場合、ソリッドなハードウェアデザイン、そして優秀なサポートが重要だと思う場合には意味のある選択ですが、アップグレードオプションや最安値のパソコンを探している方には不向きだといえます。
結局パソコンそのものよりもパソコンを使って何をするのかが重要なので、じっくりと検討してみてください!
Adam Dachis (原文/訳:まいるす・ゑびす)