服でも食事量でも髪型でも、人それぞれに合ったものがしっくりくるものです。運動でも初心者とアスリートでは練習メニューが違います。自分に合わない方法で筋トレをすると、怪我のものにもなりかねません。
最近では直感を信じればいいという考え方も知られています。自分がいちばん自然だと感じる方法が、理論的にも正しいと後から知るケースも多いですよね。今回はランニングに関して、鈴木清和さんの著書『やってはいけないランニング』(青春新書)を参考に、私自身の体験も含めて、体格別の走り方を知る方法をご紹介します。
『やってはいけないランニング』の中には、自分の身体の各所を測って、いちばん体型に合った走り方の調べ方が載っています。調べ方は以下の通りです。
1:くるぶしから膝裏までを測る→A
2:膝裏から股関節までを測る→B
3:股関節から肩までを測る→C
A、B、Cの長さによって、体格に合った走り方がわかるそうです。
ツイスト走法は、上半身と下半身をそれぞれ別方向に捻るのが特徴です。スイング走法では、股関節から下を大きく振り子のように振って走ります。ピストン走法は、膝を上下させながら走る方法です(A、B、Cの数値はそれぞれ、脛・腿・胴の長さを相対的に知る指標だそうです)。C<B+A(※B<A)→脛が長い=ピストン走法タイプ
C=B+A(※B>A)→腿が長い=ツイスト走法タイプ
C>B+A→胴が長い=スイング走法タイプ
『やってはいけないランニング』(91ページ)
実際に私自身測ってみたところ、くるぶしから膝裏(A)は42cm、膝裏から股関節(B)は30cm、股関節から肩(C)は59cmでした。公式に当てはめると、自覚している走法とは異なるという結果に...。
私自身のランニング体験は、ウォーキングから始めるランニングメソッドの本から始まりました。本の中には、ウォーキングでツイスト走法のように「骨盤と肩をクロスさせる感覚をつかんでから走るといい」と書いてあったので実践していました。
走り方に変化が訪れたのは、今年の春。毎朝8kmのロードワークをすると決めて、初めて月間200kmを達成したときです。ツイスト走法から始まったランニングですが、毎朝だと体力的にきつくなり、月の半ばにはランナー膝になり、家の中ではサポーターを着けても足を引きずるほどに。それでも、負けず嫌い根性を発揮して、走るときにはサポーターを外して休むことなく走り続けました。
ある日、私の走り方がツイスト走法からピストン走法にいきなり変わった瞬間がありました。身体が無理なくすいすい進む感覚は、傷めていた足への負担をも減らす結果に。みなさんには絶対にオススメしませんが、自分にいちばん楽な方法は知識がなくても体得できると証明できた気がします。
ランニングに興味がある方や、ランニングをしている方は是非試しに測ってみてはどうですか? 自分に合った無理のない走り方がわかって、効率的で安全なランニングができるはずです。
(大山奏)
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