いわずと知れた、アップル社の創業者スティーブ・ジョブス(Steve Jobs)は、卓越したプレゼンテーション力で、世界中の人々を魅了しています。そんな彼のプレゼン術は、ビジネスパーソンにとって模範となる「お手本」。そこでこちらでは、プレゼンテーション中にハプニングに遭遇したケースを想定し、ジョブスがどのようにこれに対処しているのか? について、紐解いていきましょう。

Mac専門誌『Mac World』では、先ごろ開催された「Worldwide Developers Conference」でiPhone 4を披露した際のジョブスについて、『The Presentation Secrets of Steve Jobs: How to Be Insanely Great in Front of Any Audience』の著者、Carmine Gallo氏が以下のように分析しています。

プレゼンテーションやスピーチでは、スライドが突然スクリーンに映らなくなる、マイクが壊れる、ネットワークにつながらないなど、様々なハプニングがつきもの。実際、このプレゼンでは、ジョブスもワイアレスになかなか接続できない、というトラブルに遭ったそうです。しかし、彼はパニックに陥ることなく、スムーズにプレゼンテーションを進行させたそう。では、ここにはどのようなコツがあるのでしょうか?

 Gallo氏は、以下の3点をポイントに挙げています。

1: 「まさか」に備えたプランを持っておく

PowerPointなどのアプリを使ってプレゼンする場合、途中でアプリがフリーズする可能性は、ゼロではない。ネットワークのスピードが急に下がることもありうるし、動画がきちんと読み込めないことも...。これらの「まさか」を予め想定しておき、その際のバックアッププランを用意しておこう。そのためには、一にも二にも、練習あるのみ。ジョブスも、プレゼンの準備・リハーサルには、相当の時間を費やしているそう。

2: プレゼンターは聴衆を楽しませるべし

プレゼンテーションの真髄は「伝える、啓発する、楽しませる」の3点だ。もちろん、プレゼンを完璧にこなすことは理想だが、実際は、何かしらのハプニングが起こるもの。そんなときでも、少なくとも、聴衆を楽しませられればOKととらえ、ハプニングすらも笑いに変えてしまおう。

3: 小さなことで焦らない

小さなトラブルにどう対処するか? で、プレゼンターの「器」が決まる。聴衆が、ほとんど気づかないような小さなことなら、あえてこれに注目させるのはNG。たとえば、スライドの順番が間違ったままスクリーンに映し出されたとして、「あ、これ、違うスライドですね...」などと、わざわざ言わない。また、多少の沈黙を怖れないこと。一瞬の「間」でパニックに陥り「何か話さなきゃ」と焦ると、空回りしがちだ。少しくらい沈黙の時間があったからといって、全体のプレゼンテーションに影響はない

ハプニングは起こるものとの前提で、プレゼンテーションやスピーチといった、大舞台に備えるのがよさそうですね。事前の準備や、練習をしっかりやっておけば「何が起こっても大丈夫!」と自信をもって、本番に臨めることでしょう。

ジョブスのプレゼン術については、ライフハッカーアーカイブ記事「スティーブ・ジョブスに学ぶ、聴衆を魅了するプレゼンの7つのコツ」でも採りあげています。あわせて、参考にしてみてくださいね。

How Steve Jobs beats presentation panic [Macworld]

Kevin Purdy(原文/訳:松岡由希子)

 

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