慶應義塾大学環境情報学部のパトリック・サベジ准教授率いる国際共同研究チームは、120人の研究者による62の寄稿からなる特集の一環として『Behavioral and Brain Sciences』に2021年9月30日付けで対象論文を発表しました。本研究チームは音楽学、神経科学、進化生物学、人類学、考古学、そして心理学からのエビデンスを統合し、個人がより大きな集団とつながることの促進という点から、音楽を作るための生物学的能力が遺伝子‐文化共進化を経ていかに発生するかを説明する「社会的絆」仮説を提示しています。109人の専門家が本仮説ともう一方のハーバード大学の心理学者らによる「信用できるシグナリング」仮説についての議論に加わりました。本研究は、人間の進化の歴史における大きな疑問に関する実りある学際的な討議に向けた、自然科学と人文科学を組み合わせたモデルを示しています。