なお、使用しているスクリーンショットでUIが表示されているものはPS4のシェア機能を利用したスクリーンショットとなります。
本作の目的はただひとつ、できるだけ長く生き延びること。一定時間内にどこかにたどり着かなければいけないとか、何かしらのノルマがあるとか、そうした制限は基本的にありません。死なないために行わなければならない事といえば、餓死しないための食料確保と怪我を癒すこと、正気を保つこと。そして、無事に朝を迎えるために、夜がくる前に火をおこして拠点(キャンプ)を作っておくことだけです。
これさえなんとかすれば、あとはこの世界を自由に探索できます。草原やサバンナ、砂漠地帯に沼地、あやしい地下世界などなど、広大なフィールドマップは自動生成で生み出されるので、何度遊んでも探索の楽しみが損なわれることはありません。
ちなみに、ニューゲーム選択時はフィールドの状態(季節や敵の出現数、環境設定など)をカスタマイズ可能です。より不利なマップを作って難易度を上げたりすることも気軽にできるので、いろいろ試してみるのもオススメです。
行く先々で様々な素材を採取して多彩な道具を作りだし、それを元手に新天地へと移動する……。サバイバル+自由な放浪生活は、それだけで夢中になれる面白さなのですが、さらに本作ではどれだけ順調に進んでいたとしても、ゲームオーバーになるとセーブデータが消えてニューゲームからやり直し!になる鬼畜仕様が採用されているため、キャンプの材料が足りないなどの中途半端な状況でゲームを終了するのは気が引けてしまい、ついついあと少しあと少しと遊び込んでしまうのです。
ゲームの進め方を模索するのも本作の魅力のひとつ。なので、システムは実際にやって把握してください!といってしまっては連載として元も子もないので、基本的な流れをざっくりと紹介します。
キャラクターを選んだら、フィールドに放り出されてゲームスタート!まずは謎の紳士の言葉どおり、周囲を見渡して何か役立ちそうなものを収集していきましょう。最初は何も持っていないので、草むしりや石拾い、実を摘むことからはじめます。採取できるもので、使い道がないものはまずありません。なんでもいいので拾い集めていけば、効果音とともに画面左端の縦に並ぶアイコンのいずれかに電球マークがつくはずです。
電球のついたアイコンを選択すれば、採取素材を消費して新しい道具を作成することができます。たとえば、小枝とフリント(小石)を組み合わせて斧を作って装備すれば、木を切り倒せるようになります。木からは木材を入手できます。そして木材と草を組み合わせればキャンプを作成でき、安全に夜を越せるようになります。
主人公の状態は画面右で確認でき、胃袋アイコンが空腹の状態を。ハートアイコンが生命力を。脳みそアイコンがSAN値を表します。周囲を歩き回っていると、主人公は次第に空腹になっていくので、周囲にある木の実を食べたり、罠があれば小動物を捕まえて食べたりしてお腹を満たしましょう。
基本的にウサギなどの動物肉はまず安全な食料となりえますが、肉の出処がモンスターである場合は少々危険が伴うものも少なくありません。肉に限らず食料全般は、火であぶったり日干しにしたりして加工する事が可能で、日持ちも良くなります。加工前後で食べた時に得られる効果が変化したり、思いがけない素材から特効薬級の食品が作り出せることもあるのですが、口に入れてみるまで実際の効果が分からないのが面白いところ。たとえば某人気不思議のダンジョン系タイトルで、あまりの空腹から「腐ったパン」から「メダ○ニ草」まで片っ端から口に突っ込み、命からがらダンジョンを駆け回った経験のある人なら、この感覚はきっと懐かしく、楽しいものとなるはずです。
また、面白いのがSAN値の存在。これは精神の錯乱状態を表す数値のことです。不味い食べ物を食べたり雨が降ったり睡眠をとらなかったりすることで減り、ゼロに近づくにつれて恐ろしい幻覚が現れだしてそれが次第に実体化、主人公に襲い掛かります。SAN値は花を摘んだり、花輪の冠でおしゃれをしたり、美味しい食事をとるなど、人間らしい(?)行動をとることで回復します。
基本的に生命力は攻撃をうけるなどしない限りは減りませんので、モンスターを避けながらサバイバルツールの材料を採取しつつ、豊かな食事と余裕のある生活を送ることで、長く生存していくことができるのです。……といっても、生存日数がのびるにつれて難易度が上がるため、そう簡単にはいかないのですが。
ちなみに、死亡時は生存日数に応じたボーナスポイントが獲得でき、一定以上貯まると新キャラクターがアンロックされます。ビジュアルはもちろん、キャラクターによって基本性能や一部装備がすこしずつ違うので、新しいサバイバル術を編み出すことができるかもしれません。
シンプルで自由度が高く、ほどよく頭をつかう計画性、死んだら終わりのシビアなバランス、少々のアクション性に、装備(環境)を充実させて行動範囲を広げるハック&スラッシュ的楽しみなど、やめ時が見つからずにひたすら遊んでしまう、死んでも死んでも繰り返しプレイしたくなるマゾっ気のあるゲームです。ティム・バートン作品が好きな筆者にとっては、大人可愛くちょっぴりグロテスクな、不思議な世界観も大きな魅力となりました。
少々日本語訳がおかしい部分はありますが、プレイするのに支障をきたすものではありません。1人でじっくり遊ぶタイプのゲームなため、ベッドに寝転がりながらPS Vitaでリモートプレイに勤しむにもピッタリかと思いますので、気になった方はぜひ遊んでみてください。
★こんな人にプッシュ★
・オールドスクールタイプのゲームが好き
・探索と発見が好き
・ティムバートン風の世界観が好き
★その他備考★
・マルチプレイはありません
サバイバルアドベンチャー『Don’t Starve: Console Edition』はPS4で現在好評配信中。価格は1,532円(税込)です。
(C) Don't Starve
(C) Klei Entertainment Inc. 2013
■筆者プロフィール
Ami
元・ゲームグラフィッカーのボス戦好きなアマゾネス。海外で販売中のDon’t Starveフィギュアが欲しい。
国産から海外、RPGからFPSまでなんでもござれの雑食系。とりあえず、ゲームができてればそれで幸せ。
ブログ:http://blog.livedoor.jp/xxxplus/