今年の正月、久しぶりに自宅ですき焼きを作って以来密かなすき焼きブームが巻き起こっているトモGPです。焼肉といえば基本的に外食を思い浮かべますが、”すき焼き”ってどちらかと言えば家庭で作るイメージが強くないですか?そして有名なお店と聞いて思い浮かぶのは”今半”くらいで意外と他は知らなかったりもします。そこで今回は美味しい”すき焼き”を求め街に繰り出すことにしました。
横浜は牛鍋発祥の地
自分が住む横浜は、中華街をはじめ老舗のレストランなど多種多様な食文化に溢れる街でこれまでも多くのお店を紹介させていただきました。
そしてそんな横浜は、実は”牛鍋発祥の地”でもあったりもします。横浜三大老舗牛鍋店である「太田なわのれん」「荒井屋」「じゃのめや」は地元民だけではなく観光客にも人気のお店です。しかしここでふと疑問に思ったのが、「すき焼き発祥の地って京都じゃなかったっけ?」「そもそもすき焼きと牛鍋って違うの?」ということ。
というわけで”すき焼き”と”牛鍋”の違いを調べてみました。
”すき焼き”と”牛鍋”の違いとは?
日本一の牛肉文化を持つ”すき焼き”発祥の地とされている京都と”牛鍋”発祥の地とされている横浜、お互いに自分が元祖であると主張しているのかというと実は決してそうではなさそうなのです。調べてみるとどうやらその理由は、”すき焼きと牛鍋は別物である”という認識がお互いになされているからの様に感じます。見た目的にはほとんど変わらないすき焼きと牛鍋、その大きな違いは調理法にありました。
□すき焼き
細かく分類するとすき焼きにも関西風と関東風があるのですが、基本的にすき焼きはまず始めにざらめ(砂糖)と醤油を使用して肉を焼きます。そしてその次に野菜といった具合に、肉と野菜を交互に焼きながら味の変化を楽しむのがすき焼き本来の調理法とのこと。
□牛鍋
一方牛鍋は、予め肉や野菜を入れた鉄鍋に割り下を注ぎグツグツ煮る調理法で作ります。ちなみに関東風すき焼きとはほぼこのスタイル、関西から伝わった調理法や味付けをより簡略化するために編み出されたのが”割り下(すき焼きのタレ)”という食文化なのです。
ただ元々幕末から明治にかけて横浜港の開港に伴い外国から牛肉を食べる習慣が日本に伝わり、日本人好みに醤油や味噌を使用し牛肉を煮込んだものが”牛鍋”のルーツと言われていますので、すき焼きと牛鍋の味付けは似ていても”横浜は牛鍋発祥の地”とされているのです。説明が長くなりましたが簡単に言えば、
・すき焼き:肉を焼く
・牛鍋:肉を煮る
ということなのです。
そして今回自分が訪れた牛鍋店”荒井屋”さんは先ほど紹介した横浜三大老舗牛鍋店の一つで、特に2007年にみなとみらいにオープンした万国橋店は観光客にも人気のスポットだったりします。
人気の理由は伝統の牛肉料理を比較的リーズナブルな価格で食べられること。ランチでは牛鍋以外にも写真の様な牛めしのセットなども楽しむことができます。
自分が注文したのは”濱浪漫”というちょっと贅沢な牛鍋のコース。
トコブシなどを使用した季節の前菜や、
たまり醤油でいただく牛焼霜造りを経て、
やってまいりましたこれが荒井屋さんの牛鍋です。お肉と野菜がすでに鍋に敷き詰められている伝統の牛鍋スタイル、美しすぎます。割下を注ぎ火にかけます。
食べ頃になるまで店員さんが丁寧に煮込んでくれます。
上品な肉の油が溶け出し沸騰した割り下の香りが食欲をこれでもかと刺激してきたら完成です。早速卵にくぐらせていただきましょう。
なんと言いますか、肉が美味しいのは当たり前なのですがとにかく驚いたのが秘伝の割り下の味わいです。肉の旨みを閉じ込めた割り下の絶妙な甘辛さが、卵と混ざり合うことでより奥行きが増し味がマイルドになるイメージ。自宅で食べるすき焼きのタレがいかに辛くて濃かったかというのが嫌というほどわかります、、、。舌触り滑らかな黒毛和牛の霜降り度合いは程よく何枚でもペロリと食べられてしまいます。隣のテーブルの外国人ファミリーがとても美味しそうに牛鍋を食べているのが印象的でした。厳選された素材と限りなく丁寧で伝統的な調理法で作られる牛鍋の美味しさにもはや国境はありません。
しめのうどんまでしっかりいただきお腹いっぱいの満足度200%状態w、大大大感動の牛鍋体験でした。こうなったら横浜三大老舗牛鍋店全制覇ということで、残りの2店舗も近いうちに訪れてみたいと思いますのでその際はまたこちらで報告させていただきたいと思います。