日本に古来より伝わる風習"年越し蕎麦"。日本人ならお馴染みの大晦日に縁起を担いで蕎麦を食べる習慣で、その由来は長寿や良縁が末長く続くように、または厄災を断ち切るためなどいろいろな説が存在するものの我々にとっては年末には無くてはならない行事の1つかと思います。そんな年越し蕎麦に今年は ”〇〇” を使用したアレンジをおすすめしたいと思います。
ペコリーノチーズで大胆アレンジ
今回蕎麦をアレンジするにあたり使用するのは和食とは真逆に位置する様な食材"チーズ"、そのなかでもペコリーノ・ロマーノを用いて蕎麦を大胆アレンジしていきます。
日本ではまだそれほど認知度が低いペコリーノ・ロマーノは、本番イタリアではパルミジャーノ・レッジャーノと並び最もポピュラーなチーズの1つです。
ペコリーノ・ロマーノは、原料となる羊乳の独特なクリーミーさが特徴のチーズです。熟成期間はパルミジャーノ・レッジャーノより短く全体的ににスッキリした印象で、保存性を高めるために表面に塩をまぶしながら作られているため塩分は少し強めです。
今回のアレンジのポイントはパルミジャーノ・レッジャーノではなくあえてこの"ペコリーノ・ロマーノ"を使用することです。理由は、
・チーズのしつこさで蕎麦の香りや風味を消さない様にするため
・塩気を麺つゆの塩味だけに頼らない様にするため
以上の2点になります。
ペコリーノ・ロマーノは近所のスーパーで手に入れるのは困難ですが、お近くのカルディコーヒーファームなら確実に手に入れることができます。蕎麦に関しては乾麺でも構いませんが、チーズだけは妥協をせずにペコリーノ・ロマーノを手に入れていただきたいと思います。ちなみにチーズを削るゼスターグレーターは、いつかこれについて記事を1本書きたいほど自分が大好きな調理器具の1つ。これがあるだけで料理の幅は一気に広がり、有名なブランドでもそこまで高額ではないので、まだお持ちでない方はこれを機に手に入れていただければと思います。
材料とレシピ
□材料
・蕎麦一人前 (生蕎麦 : 約100g、乾麺 : 約80g )
・麺つゆ : 大さじ1/2
・オリーブオイル : 1/2
・ペコリーノ・ロマーノ : 適量
・ブラックペッパー(できればミールを使用)
□レシピ
レシピはいたって簡単、まずは蕎麦が茹で上がったら冷水で一気に冷やします。
蕎麦をお皿に移したらあらかじめ準備しておいた麺つゆとオリーブオイルで全体を和えましょう。そうしたらこれでもかというくらい上からペコリーノ・ロマーノを振りかけます。そして最後にブラックペッパーをガリガリと振りかければ完成です。
この様に作り方は極めてシンプルですが、料理は材料や行程が少なければ少ないほど僅かなミスで味が大きく変わってしまうものです。味の好みはあると思いますが、今回の調味料の分量は、蕎麦の風味を損なうことなくチーズの香りや塩気を存分に楽しむことができるバランスを目指しています。もし物足りなく感じましたら後から調味料を追加していただきたいのですが、塩気に関しましては麺つゆを追加するのではなく塩を振りかけていただければと思います。
ペコリーノ・ロマーノのアレンジ蕎麦
完成した"ペコリーノ・ロマーノのアレンジ蕎麦"がこちら、イメージ的にはパスタ料理のカチョエぺぺを蕎麦で作った感じです。豪快に箸でモリモリ食べましょう!オリーブオイルに閉じ込められた蕎麦の香りはそのままに、ペコリーノ・ロマーノのクリーミーな風味と塩気に食欲を掻き立てられ、蕎麦を口に運ぶ手が止まりません。
途中必ずチーズが少なくなってきますので、その時は躊躇せずに"たっぷりと追いチーズ"をしましょうw。蕎麦とチーズのまだ見ぬハーモニーを存分にお楽しみください。
私トモGPはもともともり蕎麦が大好きでしたので、せっかくの蕎麦にオリーブオイルやチーズをかけるのは最初はかなり勇気が必要でした。しかし一度食べたらまんまとハマってしまい、一時期は色々なチーズや調味料の分量を試してみたりもしたものです。皆さんもきっと自分に合った調味料のチューニングがあると思いますのでいろいろとお試しを。
さっと茹でてもり蕎麦や温かいお出汁で食べるのはもちろん美味しいのですが、調べてみると意外と奥深いアレンジ蕎麦の世界。また新しいレシピを発見しましたらこちらの方で紹介させていただきたいと思います。皆さんも今年は一風変わった年越し蕎麦で新年を迎えてみてはいかがでしょうか?