北方領土周辺のロシア軍の最近の動向はどうなっているのか。ロシア軍事に詳しい東京大の小泉悠准教授に聞いた。
■大幅に減った戦車
北方領土に駐留するロシア軍の第18機関銃・砲兵師団から実際にどの程度の兵士がウクライナの戦地に派遣されたかは定量的に示し難い。ただ、国後島中部のニキシロ駐屯地では戦車が6両しか確認できない状態が長く続く。国後島には戦車大隊があり、かつては十数両の戦車が確認できたが、大幅に減ってしまった形だ。
国後、択捉両島にそれぞれ1個大隊分配備されていた地対空ミサイルシステム「S300V4」も22年秋には撤去されるなど、派遣関連の可能性がある動きがみられる。S300V4の陣地跡地は、択捉の場合は完全に空っぽになり、昨秋になって捜索レーダーなどが配備された。国後には短距離地対空ミサイル「トール」が代わりに配備されたもようだ。...
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