この動画を見たら、これまで使っていた電子レンジが急にダサく見えてきました。
これはヒートマップ電子レンジの試作機です。この電子レンジ、天井に赤外線カメラがついていて、ドアの液晶スクリーンで食べ物の温度が見えちゃうんです。今すぐ欲しい!
このヒートマップ電子レンジ(特許取得済み)を考えたのは、NASAジェット推進研究所のエンジニアだったMark Roberさん。「今年のハロウィンはコレで皆を驚かせちゃおう!」、「懐中電灯2つにシーリングファンがあれば、マトリックスみたいな映像をカメラ1台で撮れる!」、「NASAがジャック・オー・ランタンを作るとこうなる」、「iPhoneでクレカなどの暗証番号が簡単に盗めると話題に」など、ギズモード記事に数多く登場してきたRoberさんですが、このヒートマップ電子レンジは過去最高のアイデアかもしれません。
コンセプトは至ってシンプル。電子レンジの天井部分に埋め込まれた赤外線カメラが食べ物のサーモグラフィを撮影します。赤外線カメラで撮影したサーモグラフィが、食べ物が温まるにつれ、青から赤、黄色から白へと変わります。
あらかじめ「ここまで温めたい」という温度を決めて、食べ物が好みの温度まで温まったら白くなるように設定することができます。食べ物が全部白くなるのを確認して手動で電子レンジを止めるか、あるいはもっとスマートに白くなったら自動で電子レンジが止まるようになるという展開も考えられそう。
また、Roberさんは、サーモグラフィをスマートフォンからも見られるように検討しているようです。実現すれば、キッチンにいなくてもスマートフォンの画面で電子レンジの温度をチェックできます。もうちょっと温めたいな、という時にもキッチンまで行かずにスマートフォンの画面から加熱時間を増やすこともできます。
プロジェクトの実現に先駆けて、Roberさんにインタビューを行い、ヒートマップ電子レンジについて詳しいお話を伺ってきました。
米Gizmodo(以下G):冷凍食品を温める時など、食べ物の外側は熱くなっているのに中は冷たいままというのは電子レンジでありがちな失敗ですが、あれってサーモグラフィを使っても同じなんじゃないですか?外側の熱い部分だけが映って、内側の冷たい部分が見えなくなってしまうのでは? Rober(以下R):僕も同じことが気になっていたのですが、自分で行ったテストでは必ず、表面が均一に温まっている時は中も温まっていました。中がまだ冷たい時や室温程度の時には、外側の温度にもムラがああるんですね。G:テストの手順はどのようなものでしたか?R:ただ単に、色んなものを電子レンジで温めて結果を見てるんですよ!明確にしたかったことのひとつに、食べ物を温める温度の上限、何度になったら「白く」なるべきかというのがあります。テストをしてみて、華氏160度(およそ摂氏70度)まで温めるとちょうど良いんじゃないかと感じました。G:電子レンジと赤外線カメラをあんなに近づけて置いたら、電波と干渉しないんですか?R:科学的な観点からは、それはないです。サーモグラフィは、電子レンジが数マイクロ秒間停止している間に撮影できますから。G:なるほど!R:ところで、動画では触れていませんが、画像を解析するソフトウェアでは色んなことができるようになります。たとえば、上からの画像を見ながら、ちょうど良い温度になるとどんな色になるか予想することができます。R:他にもたくさんの可能性があります。食べ物が温まっている様子を見たいという人は、サーモグラフィから切り替えて通常の映像を見ることもできます。ズームだってできるかもしれません。今は、こういう可能性もあるというのを話しているだけですが。Roberさんは、この電子レンジを開発するためにクラウドファンディングで資金を募るという、ありがちなことはしていません。すでに特許を取得しており、支援者もいるようなので、あとは「適正な価格であれば購入したい」という人がたくさんいることを証明できされすれば、開発プロジェクトを開始できるのです。
ということで、このプロジェクトを応援したい人は公式サイトBetterMicrowave.comで署名してね。実現できるといいな~。
source: Heat Map Microwave
Brent Rose - Gizmodo US[原文]
(山田まり)