フェイスブックやグーグルが光ファイバーケーブルを買い漁っているそうな

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    フェイスブックやグーグルが光ファイバーケーブルを買い漁っているそうな

    通信業界の勢力図が書き換わる日も近そう。

    フェイスブックやグーグルが世界を牛耳りはじめてなんたらかんたら…なんて誰かが言っているのを聞いて、そうは言ってもたかがウェブサイトじゃんって思っていませんでした? なんだかそんなことも言ってられなくなってきたようですよ。フェイスブック、グーグル、アマゾン、マイクロソフトといった巨人たちが、インターネットのインフラ設備を買収し始めています。

    ウォール・ストリート・ジャーナル紙によると、これらの企業は時間をかけてかなりの割合のインフラを買収してきたとのこと。これまでケーブルを支配してきた従来の通信会社は、当然のことながらこの動きにとてもナーバスになっています。

    巨人たちが買い占めているケーブルの規模はかなりもの。グーグルは最近ちょっと怖いロボット軍を買収したのに加え、今では10万マイル(約16.1万km)を越える自社専用光ファイバーを所有しています(参考までに米携帯電話事業者のスプリントが所有しているのはたったの4万マイル(約6.4万km)!)

    フェイスブックもヨーロッパ全域に巨大な大容量ネットワークを敷設し、スウェーデンにある北極データセンターとつなげたばかり。フェイスブックはさらに、太平洋に6千マイル(約9,656km)のケーブルを敷設するために何百万ドルという投資もしています。一方のアマゾンもファイバーネットワークを買収しており、同社がインフラにかける費用は44%増26億ドル(約2千6百億円)。マイクロソフトも自社ネットワークを構築し、海底ケーブルに投資しています。

    そう、みんなインフラに力を入れ始めているんです。地球上に光ファイバーケーブルを張り巡らせるのは巨人コングロマリットにとってもかなり大きな投資ですが、この先回線に払う料金をコントロールしていくにはそうするしかないわけです。これまで、回線料金は大手通信会社が好きなように決めることができていました。回線料金は着々と下がってきてはいますが、これからも下がり続けるという保証はありません。料金をおさえたければ自社で所有するのが一番というわけ。

    またインフラを所有するメリットはコスト面には限りません。ユーザーにコンテンツを提供している巨人たちのような会社にとって、コンテンツの品質をしっかり維持できるというメリットがあります。回線状況が悪いせいでページが重くなりユーザーが離れてしまう…ってことは絶対に避けたいわけですもんね。巨人たちにファイバー回線を販売している会社の最高経営責任者であるダン・カルソ氏は、ウォール・ストリート・ジャーナル紙にこう語っています。「自社の将来を自分たちの手でコントロールするってことだよね」

    さて、この動きはユーザーである私たちにどんな影響を与えるのでしょう? おそらく短期的にはうれしいことになるでしょう。ケーブルが増えれば回線容量も増えて、きっと料金も下がるはず。ただ今後10年、20年経ったときにどうなるか。インターネットの大部分が、従来の通信会社ではなくインターネット企業によって所有されているという状況が考えられます。新進気鋭のインターネット企業が従来のやり方を継承するとは考えにくいので、回線を取り巻く状況は大きく変化しているはず。それがユーザーにとって吉と出るか凶と出るか。とはいえ、今のインターネットサービスを改善するのはそれほど難しくなさそう。結局のところ、通信会社とプロバイダーのカスタマーサービスのレベルはアメリカでは最低なわけですし...ね。

    Image via Shutterstock / Facebook

    [WSJ]

    ADAM CLARK ESTES (原文/mana yamaguchi)