三菱UFJ銀行の貸金庫から巨額の金品が盗まれた事件で、14日、46歳の元行員の女が逮捕された。女は、ギャンブルや投資などによる借金の返済に困ったことから窃盗に手を染めたと説明していて、盗んだ金品は17億円相当にのぼるとみられている。
FX投資などで10億円以上の損失や借金
周囲の様子を伺う一人の女。FNNがとらえた三菱UFJ銀行の元行員、今村由香理容疑者(46)の逮捕前の様子だ。
この記事の画像(9枚)14日に逮捕された今村容疑者は、15年以上にわたり競馬などのギャンブルにのめり込み、2013年には700万円以上の負債を抱え、民事再生法の適用を申請したという。しかし、その後もFX投資などで10億円以上の損失や借金が膨れ上がり、その返済に困ったことから窃盗に手を染めたと説明していることが新たに分かった。
今村容疑者は、練馬支店に勤務していた2024年9月、自身が管理していた客2人の貸金庫から金塊合わせて約20kg・時価総額2億6000万円を盗んだ疑いが持たれている。
顧客の資産を守るはずの銀行でまさかの事件が発覚したのは、2024年10月。「金庫の中身が違っているのではないか」という顧客からの相談がきっかけだった。
貸金庫から貴金属がなくなったという男性は、「貸金庫に行って、そろそろ1回チェックしようかなと思って。銀行から電話もらったんで、きのう行ったら(指輪やネックレスが)ないなと思って」と話す。
「お金持ち・女経営者かと思っていた」
今村容疑者が入行したのは、1999年。約25年以上も勤め、貸金庫を管理する支店長代理にまで上り詰めた。
今村容疑者を知る人は、今村容疑者の印象についてこう話す。
「毎朝タクシー呼んでて、それは間違いない。お金持ちだなと思っていた。だから女経営者なのかなってちょっと思っていたんですけど」
元三菱UFJ行員の山口仁史さんは、その重要な立場を悪用した犯行だと指摘する。
「支店の貸金庫の鍵管理というのは役職者でないとできませんので、ですから、その支店長代理であったことの立場を悪用して、犯行に及んだということが言えると思います」
今村容疑者は警視庁の調べに容疑を認め、「FX投資や競馬などで10億円以上の損失や借金があり、返済に困ったことから窃盗に手を染めるようになった」と供述している。
2020年からの4年半にわたり、60人以上の貸金庫から盗みを繰り返したとみられる極めて悪質な犯行。被害総額は現金と金塊合わせて、17億円以上に上るとみられている。
(「イット!」1月15日放送より)