知人で、急速に『三国志』に詳しくなった者がいたので理由を聞くと、どうも『蒼天航路』を読んでいたらしく。これは、三国時代の英雄・曹操を主人公に据え、三国志の世界を描いた長編マンガ。

いや、いいですよね。楽しみながら、いつの間にか知識も増えているという一石二鳥。有意義な娯楽と言えます。

そして今、こんなカードゲームが話題となってます。キリスト新聞社が4月25日より発売しているのは、その名も『バイブルハンター』!
ストーリーは、主人公が「バイブルハンター」になって、世界に散らばった「失われた聖書」(聖書カード)を獲得する、という内容になっているらしく。その際のスペシャルなポイントとして、新約と旧約の聖書に登場する多彩な人物(モーセなど)を召喚することが挙げられます。要するに、新約と旧約の登場人物のコラボ! これって、今までにないことですよね!?
「というか、カードゲームの発売自体が有り得なかったんですけどね(笑)」
お答えいただいたのは、キリスト新聞社が発行する雑誌「Ministry(ミニストリー)」編集長の松谷信司氏。

では、同氏にこのようなカードゲーム発売の経緯について伺ってみましょう。
「もともとは、『Ministry』の付録という形で発表したものでした。編集長として『付録には絶対カードゲームがいい!』とかなり強引に進めたのですが、そういうニーズが教会内外にあることは確信していました。少しの冷たい視線を感じながらの作業ではありましたが(笑)」(松谷氏)
しかし、反響は予想以上! めでたくカードゲームは正式に商品化され、結果、初版は速攻で完売。しかもその9割以上は、教会外のゲームマニアによる購入でした。

「私たちの業界は、ある種説教臭いものや、『どうやって教会に来てもらうか』と下心見え見えの商品ばかりを作りがちでした。そんなキリスト教の雰囲気を変えたかったという思いもあったんです」(松谷氏)
だからこそ、形となったこの商品。カードで楽しく遊び、いつの間にか「聖書って楽しそうだな」と思ってもらいたい。その目的、見事に果たしました。

そんな『バイブルハンター』へは、どのような反響が寄せられている?
「制作にはプロのゲームデザイナーの方にも入っていただいているので『予想以上にしっかりしていて、ガチで面白い』といったお声をいただいております」(松谷氏)
他に「聖書を読みたくなった」、「名前だけは知っていたけど、ゲームで初めて『こういう人だったんだ』と知れた」といった声も寄せられているとのこと。
ちなみに監修は、改革派系のプロテスタント教会に属する現役の牧師が担当。神学的な根拠への配慮も十分のカードゲームのようです。

そして、なんとカードゲームの第2弾が6月20日に発売されるらしいです。タイトルは『最後の晩餐~裏切り者は誰だ~』(税込み1,620円)。
「これは、『人狼』の聖書版です!」(松谷氏)
端的に説明します。律法学者が晩餐の席に紛れ込み、イエスを逮捕しようと画策。弟子たちはイエスを守りきれるのか、それとも聖書の記述どおりイエスが逮捕されてしまうのか……そこを焦点としてせめぎ合うゲームが発表されるのです。
レオナルド・ダ・ヴィンチの名画でも知られる、あの聖書の重要なシーンをゲームで再現。いや、振り切ってるな!

これらのカードゲームは日本聖書協会直営のオンラインショップ「バイブルハウス南青山」をはじめ、全国のキリスト教書店などで購入できます。ちなみに『バイブルハンター』の価格は2,484円(税込)。

でも、こんなに好評続きならば、どうしても第3弾以降の発売も期待してしまうのですが……。
「聖書はキャラクターの宝庫ですしね。今度は、『バイブルハンター』の続編を考えています」(松谷氏)

教会ならびに聖書への興味ではなく、中二的興味を間口にして人気を博すこれらのカードゲーム。意図してこの流れができているのだから、見事です。これぞ、神ゲー!
(寺西ジャジューカ)
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